トマトは、南アメリカのアンデス地域が原産地とされています。 あまり知られていませんが、この地域は、年間降雨量がたいへん少ないことが特徴です。 実は、トマトは乾燥地域に適応した植物で、雨の多い地域では、栽培に適しません。 原産地の気候に近づけた環境下でなければ、味わいのあるトマトは栽培できないのです。 | ![]() 皮が厚く果肉が締まっているのが特徴です |
![]() 根元をシートで覆って雨水の浸入を防ぎます | 北海道下川町のフルーツトマトは、原産地アンデスの気候に近づけた環境にするために、トマトの根元をシートで覆って、雨水の浸入を防ぐ、特別なハウスの中で栽培します。 水分を抑制することで、トマトはしっかりと根を張って丈夫になり、葉の部分からも大気中の水分を吸収して育ちます。 そして、トマトは子孫を残すために、果実の部分に栄養を集中します。 |
![]() この大きさが2Lサイズです。通常のトマトなら M〜Sサイズ程度の大きさしかありません。 | このため、果肉が締まり、旨味の濃いトマトになるのです。 下川のフルーツトマトは、糖度が8〜9度もあるのが特徴で、晴天が続くと、糖度が9度を超えることもあります。 通常のトマトの糖度は4度程度なので、下川のフルーツトマトは、約2倍の糖度があることになります。 |
出荷時期は、6月中旬から9月中旬までで、収穫したトマトは、JA下川撰果場へと集められ、光センサーによる糖度検査を経て、1ケース800g〜900g詰(8個から15個)で出荷します。 そして、出荷したフルーツトマトは、ほとんどが首都圏へと送られ、高級青果として店頭に並びます。 トマトの品種は、「桃太郎ヨーク」などの桃太郎系で、特別な品種を栽培しているわけではありませんが、栽培にあたっては、化学肥料は一切使わず、代わりに、魚カス、カニ殻、カキ貝の粉、ナタネかす、米ぬかなどの有機質肥料を使います。 | ![]() 通常のトマト栽培の3倍の労力が必要です |
![]() 甘さと旨味がひとつのトマトに凝縮しています | このため、栽培には、通常のトマト栽培の約3倍の労力がかかります。手間を惜しむと、美味しいトマトは収穫できないのです。 「消費者の皆さんに、安心して食べてもらえるフルーツトマトを」と、安全と安心にこだわる町内23戸のフルーツトマト作付農家は、今まで培った栽培技術を共有し、より品質の高いフルーツトマト作りをめざしています。 |