紅秀峰(べにしゅうほう)は、1979年(昭和54年)山形県立園芸試験場で、佐藤錦と天香錦を交配して育成し、1991年(平成3年)に種苗登録した新品種です。 比較的大粒で、果肉が硬く緻密で、晴天が続くと糖度が約20度に達します。 親品種である佐藤錦の糖度が約18度ですから、それよりも2度も上回ることになります。 | ![]() 晴天が続くと糖度が約20度に達する紅秀峰 |
![]() 紅秀峰の開花時期は5月下旬です | 近年、佐藤錦の後に続く品種として増殖が進んでいます。 紅秀峰の最大の特徴は、収穫後の追熟が比較的ゆっくりしているために日持ちが良いことで、完熟状態で収穫できる品種として、脚光を浴びているのです。 果実の大きさは、8〜10g(L、2L)程度の比較的大玉で、果形は短心臓形。果皮は黄色の地に濃赤色に着色します。 |
![]() 収穫時期は7月20日頃から7月末頃までです | 果肉はクリーム色で、糖度は約20度。酸味がやや少なく、甘味の強い品種です。 早採りすると苦味があるため、樹上で完熟状態にしてから収穫します。 晩成種のため、北海道での収穫時期は、おおむね7月20日頃から31日頃までですが、生育期の天候によっては、7月末にならないと収穫できない年もあります。 |
![]() 一粒ずつ優しく手詰めされていきます | 出荷元の仙北(昌洋)果樹園は、国定公園「暑寒別・天売・焼尻」の中にある、暑寒別岳(1,492m)の登山口に向かう道の途中にあります。 この地域は、増毛(ましけ)フルーツの里と呼ばれ、日本海に面する温暖な気候下で、さくらんぼやリンゴ、ブドウなどの果樹栽培が盛んです。 出荷シーズンを迎えた7月、仙北果樹園では、約30人の女性たちの手で、品種別に撰果され、一粒ずつ優しく手詰めされていきます。 |
冷涼な北海道の気候を生かし、2000年(平成12年)2月に導入された「YES!clean」制度。 クリーン農業技術を導入して、有機物を活用した土づくりや、化学肥料や農薬を最小限に抑えた農産物づくりを行う生産集団が登録され、出荷する農産物には、より安全であることが一目でわかるように、YES!cleanマークが表示されます。 | ![]() クリーン農業の証となるYES!cleanマーク |
![]() 仙北果樹園はエコファーマーに認定されています | 2008年(平成20年)12月、増毛町果樹協会は、さくらんぼ部門で集団として登録され、もちろん仙北(昌洋)果樹園も構成員となっています。 また、仙北(昌洋)果樹園は、2009年(平成21年)5月には、化学肥料や農薬の削減など、栽培管理に対する研究や成果が認められ、農水省が推進する「エコファーマー」にも認定されました。 |
さくらんぼは、表皮がセルロース成分で覆われていますが、このセルロースは、水分を通すため、雨にあたると、水分が浸透して果肉部が膨張し、裂果してしまいます。 東北や北海道が、さくらんぼの主産地となったのは、生育期に雨が少ないためというのが理由ですが、それでも、雨は降ります。 樹上に屋根を架けるのは、収穫期を控えたさくらんぼを、雨から守るためなのです。 なお、梅雨の無い北海道は、さくらんぼ栽培の最適地で、生産されたさくらんぼの品質の高さは、全国各地の市場からも高く評価されています。 |