千両梨は、形は洋ナシでも、丸梨のように果肉がしっかりとした、糖度約12〜13度程度の、中国を原産とする梨です。 旬は10月中旬から下旬で、シャキシャキとして、ジューシーで粗めの果肉は、懐かしい味わいがあります。 表皮が黄色みを帯びるにつれて、果肉の水分が抜け、ボケてしまうので、皮の色が緑色のうちに食べるのがお勧めです。 | ![]() 収穫時期は、10月中旬から10月下旬まで |
![]() 締りの良い果肉はシャキシャキとした食感 | 千両梨は、日清戦争(1894年〜1895年)の頃に、中国から伝わった中国ナシが、その後、北海道を中心として広く栽培されるようになったといわれています。 北海道余市町で実生が発見され、1922年(大正11年)に「身不知(みしらず)梨」と命名されましたが、収穫量が多いため、果樹一本あれば千両の価値があるという意味で、次第に「千両梨」と呼ばれるようになりました。 |
北海道内を中心に出荷されましたが、次第に作付面積が増加したため供給過剰となり、市場価格の下落とともに、生産量が激減しました。 現在では、花粉交配用の「受粉樹」として栽培されている程度で、青果店の店頭でも、めったに見かけることはなくなりました。 なお、千両梨は、西洋ナシのように追熟させる必要はありません。 | ![]() 中国から伝わった千両梨は今や幻の梨に |
出荷元の仙北果樹園は、国定公園「暑寒別・天売・焼尻」の中にある、暑寒別岳(1,492m)の登山口に向かう道の途中にあります。 この地域は、増毛(ましけ)フルーツの里と呼ばれ、日本海に面する温暖な気候下で、果樹栽培が盛んです。 出荷シーズンを迎えた10月、仙北果樹園は、ブドウやリンゴ、梨、プルーンなど、秋のフルーツの甘い香りに包まれます。 | ![]() 出荷元の仙北果樹園(北海道増毛町) |
![]() 仙北果樹園はエコファーマーに認定されています | さくらんぼ、りんご、ナシ、プルーンなどの果樹栽培を、三代に亘って営んできた仙北(昌洋)果樹園。 2009年(平成21年)5月には、化学肥料や農薬の削減など、栽培管理に対する研究や成果が認められ、農水省が推進する「エコファーマー」に認定されました。 |