


飯寿司(いずし)は、冬の北海道の貴重な保存食として伝わる郷土料理です。 水揚げした魚を主原料に、米麹、細切りした野菜と薬味を重ねて、低温で熟成発酵させ、雪に閉ざされる冬場の食料としました。 もともとは、東北地方がルーツとされ、江戸、明治期に、北海道に渡った人々が、製法を伝えたとされています。 | ![]() 飯寿司は冬の北海道の貴重な保存食です |

![]() 飯寿司には、まろやかな酸味があります | 飯寿司に使用する野菜は、細切りの大根やニンジン、針生姜、柑橘類の皮などで、秋に水揚げされる秋鮭やサンマ、ハタハタなどが漬け込まれました。 いわゆる、なれ寿司の一種ですが、まろやかな酸味がありますので、ご飯の副菜としてではなく、お酒の肴や、お茶うけに適した食材です。 |

オホーツクのまち紋別市の、嘉成(かなり)水産が製造する飯寿司は、樽に米麹を敷き、一口大に切り分けた魚と、細切りの野菜、薬味を、交互に何段にも重ね、低温で2週間熟成発酵させて作ります。 保存料などは使わずに、天然塩を使って素材の旨味を引き出し、酢を加えて、キレのある味に仕上げているのが特徴です。 | ![]() 低温で2週間熟成発酵させます |
![]() 3月末までには出荷を終了しています | 発酵食品である飯寿司にとって、大切なことは出荷後の温度管理です。 現在は、温度管理された加工場で製造できるため、通年出荷が可能となりましたが、出荷後の温度管理が難しいこともあって、当店では、例年、3月末までには出荷を終了しています。 (一部の商品に限り、3月末以降も販売を継続しています。) |

![]() 機械を使って衛生的に加工処理(嘉成水産) | ![]() 整理整頓された清潔な加工場(嘉成水産) |
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■お正月向けに製造されるキンキの飯寿司は、11〜12月だけの味覚です。 ■気温が上がる4〜9月は、出荷を休止します。
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![]() 飯寿司の定番は、はたはた飯寿司 | 新鮮なハタハタを、米麹、野菜とともに漬け込んで、約2週間、熟成発酵させました。 東北の秋田県や青森県から北海道へと伝わった浜の味といわれていますが、飯寿司といえば「ハタハタ飯寿司」といわれるほどの、大人気の伝統の味です。 |