![]() 枝にふれるだけで実が落ちていきます | ハスカップは、和名を「クロミノウグイスカグラ」といい、スイカズラ科の落葉低木です。 原産地は、ロシアのバイカル湖周辺といわれ、シベリアからの渡り鳥が北海道へ種子を運んできたとも伝えられています。 ハスカップの実は、とてもやわらかく、ひと粒が1g前後しかありません。 枝に鈴生りになった、ハスカップの実に、そっとさわるだけで、ポロポロと実が地面にこぼれ落ちていきます。 |
生産量は、北海道全体でも、わずか114トンしかありません。 収穫に際し、あまりにも人手がかかりすぎることが理由です。 ハスカップの実は、たいへんやわらかく、しかも、収穫時にガクの部分がとれてしまうため、貯蔵性が悪く、生果実のまま流通することはほとんどありません。 このため、ハスカップは、冷凍して貯蔵するのが一般的です。 | ![]() ひと粒が1g前後しかありません |
![]() 酸味が強く、さわやかな苦味もあります | 酸味が強く、さわやかな苦味もあるハスカップは、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品との相性が良く、ジャムやフルーツソースなどのほか、果実酒などに加工されます。 また、塩漬けにすると、梅干代わりに利用できます。 ちなみに、ハスカップの語源はアイヌ語の「ハシカプ」に由来し、「低い枝にたくさんの実をつけるもの」の意で、アイヌの人々は、「幻の実」と呼んで、大切にしたと伝えられています。 |
北海道でのハスカップの収穫期は、7月上旬から下旬までの約1か月間で、収穫末期に近づくにつれ、実が熟して液状になります。 このため、収穫に際しては、実がつぶれないように、細心の注意が必要で、収穫後は直ぐに冷凍して保存します。 なお、ジュースや果汁液などに加工する場合は、この収穫末期の実を利用します。 | ![]() 天然色素であるシアニジンは黒紫色です |
![]() ミネラル成分が豊富に含まれています | ハスカップには、天然色素のアントシアニン(ほぼ100%がシアニジン)が豊富に含まれており、ブルーベリーなどと同じく、目に良い食べ物とされています。 また、ハスカップには、カルシウム、ビタミンC、鉄分、ビタミンEのほか、食物繊維も豊富に含まれています。 ハスカップが女性に適した果実といわれるのはこのためなのです。 |