アロニアは、北アメリカ原産のバラ科アロニア属の落葉低木で、学名を「Aronia melanocarpa」、英語名を「Black chokeberry(チョークベリー)」といいます。 19世紀初期に北アメリカからヨーロッパへと伝わり、日本へは、1976年(昭和51年)、ソビエト連邦(現・ロシア)との農業技術交流事業を通じて種子が導入され、以降、栽培が始まりました。 | ![]() アロニアは、直径8mm程度の小さな果実です |
![]() ジャムやジュース、果実酒に利用されています | 耐寒性に優れ、氷点下30℃の環境下にも耐えられるため、海外では、ロシア、北欧、東ヨーロッパなどの寒冷地域が、主産地となっています。 花の形がナナカマドに似ているため、ロシアでは「黒い実のナナカマド」とも呼ばれ、食用果実としてジャムやジュース、果実酒などに利用されています。 |
![]() 急速冷凍すると渋味が穏やかになります | 収穫期は、夏の終わり頃から初秋にかけて(9月上旬〜中旬)で、直径約8mm前後の黒色の小さな実を、手作業で収穫します。 アロニアの生果実は、ほんのりと甘く、ポリフェノール成分が豊富に含まれているため、舌に残る渋味と淡い苦味があります。 チョークベリーの名がついたのは、「チョークのようなまずい果実」が由来とされています。 |
そのまま食べるには不向きですが、急速冷凍すると渋味が穏やかになり、凍結と自然解凍を2〜3度繰り返すことで、渋みを抜くことができます。 皮が硬いので、ミキサーなどで粉砕してジャムやジュースに利用するのが一般的ですが、粒のまま、砂糖を加えて煮詰めると、糖分の使用量を抑えることができます。 | ![]() 砂糖を加えて煮詰め、ヨーグルトにかけて |
![]() 小果樹類で一番のアントシアニン含有量 | アロニアには、100g中、1,910mgのポリフェノールが含まれており、このうち、670mgがアントシアニン(黒紫色素デルフィニジン)です。 ビタミンA(βカロテン・ 754μg)や、ビタミンK(46μg)、E(1.9mg)、葉酸(8μg)などのビタミン類のほか、カリウムやカルシウム、リン、亜鉛などのミネラルも豊富です。((財)日本食品分析センターの成分分析による。) 最近の研究では、脂肪を分解促進させる機能成分を含むこともわかりました。 |
アロニアは、凍結と自然解凍を2〜3度繰り返すことで、ほぼ渋みを抜くことができますが、ジャムにする場合は、苦みや渋みなどが適度に含まれている方が美味しいので、何度か試してみて、回数はお好みで決めてください。 ポイントは、完全に解凍状態にすることで、塊になっている場合は、中まで解凍状態となっていることを確認してください。 | ![]() アロニアはジャムやジュース、果実酒に |