アスパラは、ユリ科の多年草で、作付後10年以上も毎年収穫できますが、最初の3年間は茎が細く、商品価値が低いため出荷はできません。 私たちが食べているのは、作付けして4年目以降の畑で芽吹いた若茎で、暖かい日が続くと、5〜6日で30センチも成長し、収穫適期となります。 | ![]() アスパラは作付後10年以上も毎年収穫できます |
![]() 累積された糖質がアスパラの甘さの秘密です | 大雪山系の麓にある富良野、美瑛などの地域は、気温の日較差(昼夜の寒暖差)が大きい内陸地です。 日中は、太陽の光を浴びて、光合成がさかんに行われ、植物の体内に糖質が蓄積されますが、気温の低い夜間は、植物の呼吸活性が低下し、糖質がほとんど消費されません。 この夜間に累積された糖質こそが、アスパラの甘さの秘密です。 |
![]() 30cm程度に伸びたアスパラを収穫します | グリーンアスパラの収穫は、気温が上昇する5月下旬から始まります。 まだ朝もやの残る早朝から畑に出て、30cm程度に伸びたグリーンアスパラを鎌を使って収穫します。 陽が高くなると、アスパラの生育が旺盛になり、糖質を消費してしまうため、早朝から収穫するのです。 |
![]() 早朝から始まるアスパラガスの収穫 | 芽の出る前に盛り土をして、土中で生育させたホワイトアスパラは、曲げるとポキポキッと折れるほど、しなやかさがありません。 畝の土中から顔を出してしまったアスパラは、太陽の光によって、穂先の部分が紫色に変色してしまうため、成長したアスパラをさぐりあてて収穫するのは、経験と労力が必要です。 |
ホワイトアスパラは、そのまま調理すると、皮の部分が繊維状になって口の中に残るため、皮むき器を使って、皮を薄くむいてから調理するのがお勧めです。 熱を通すと柔らかくなり、とろけるようなソフトな甘さがありますので、茹でてサラダにするか、スープやグラタン、煮込み料理などにご利用ください。 | ![]() とろけるようなソフトな甘さがあります |
![]() 約5℃の温度で24時間かけてしっかり予冷します | アスパラの若茎は、1日に3〜5cmも成長するほど成長力が旺盛です。 しかも、収穫後も成長が続くため、そのままにしておくと、アスパラの糖質は、どんどん消費されてしまいます。 成長を抑えるために行うのが予冷で、約5℃で24時間かけてしっかり冷やします。 冷やすことで成長を止め、もぎたての美味しさを保つのです。 |
アスパラは、自然の植物ですから、太いものや細いもの、芯が曲がったり、筋張ったりしたものを混獲します。 このため、収穫したアスパラは、予冷前に定められた等級別に撰果します。 そして、予冷が完了したアスパラは、コンテナやダンボール箱に詰めて出荷しますが、宅配便で発送するアスパラは、鮮度保持袋に詰めてから箱に入れ、輸送途中での鮮度劣化の防止に努めています。 | ![]() 収穫したアスパラは必ず選果して出荷します |