検証 大阪維新の会 ――財政ポピュリズムの正体 (ちくま新書 1802)

◆商品名:検証 大阪維新の会 ――財政ポピュリズムの正体 (ちくま新書 1802)
これは大阪だけの問題ではない――身を切る改革の落とし穴結党から十数年の間に地域政党の枠を越え、国政でも存在感を見せる維新の会。公務員制度や二重行政にメスを入れる身を切る改革や、授業料の完全無償化が幅広い支持を得る一方、大阪都構想や万博、IRなどの巨大プロジェクトは混迷を極める。”納税者の感覚”に訴え支持を広げる政治、そしてマジョリティにとってコスパのいい財政は、大阪をどう変えたか。それは誰に手厚く、誰に冷たい政治なのか。印象論を排し、独自調査と財政データから維新の強さの裏側を読みとく。【目次】第一章 大阪維新の会とはどんな政党か――定説の再検討財政は政策の駆動力/維新支持は大阪・関西でどのように広がったか/維新支持者は特殊な人びとか/維新の会は小さな政府か/維新は大阪を豊かにしたは本当か/本書の構成第二章 主要政策を読みとく主要政策をふりかえる/大阪都構想の背景/一度目の住民投票/都構想へ二度目の挑戦/二度目の住民投票とその否決/公務員制度改革の思惑/手厚い教育政策/公教育に競争原理を導入/公立病院の二重行政とは何だったのか/大阪モデルの光と影/ふたたび大阪で万博を/IRは持続的成長の呼び水となるか第三章 維新支持の構造――大阪府民は特殊な人びとかクラウドソーシング調査という手法/大阪は特殊な場所か/維新支持は高所得層か、低所得層か/維新の政策は誰に、どのように支持されているか/二極化する経済成長への評価/教育政策はどう評価されているか/都構想、万博、IRは支持されているか/コロナ対策はどう評価されたか/維新支持者は普通の人びと第四章 財政から読みとく――維新の会は小さな政府か維新の会は新自由主義?/財政データの解像度を上げる―一人あたり額と偏差値/大阪維新が運営する大きな政府/中之島一家とは何か/公務員組織の縮減/委託経費の構造変化/官から民への経済的意味/大阪維新の会の均衡財政主義/教育費をどう変えたか/選別主義と普遍主義/普遍主義的な教育政策を読みとく/生活保護はどう変わったか/障がい者、高齢者の福祉はどう変化したか/コロナ禍での都市開発/維新財政と普遍主義/財政ポピュリズムのジレンマ第五章 大阪の成長の実像――維新は大阪を豊かにしたは本当か大阪の成長とはなにか/大阪の成長は税収に還元されたか/大阪は本当に経済成長したか/大阪の成長は所得増につながったか/外国人客数から読みとく/公示地価から読みとく/都市経営という思想/大阪の成長と財政ポピュリズム第六章 財政ポピュリズムを乗り越える大阪府民は普通の人びと/政策にみる財政ポピュリズム/大阪の成長の光と影/既得権益批判と財政ポピュリズム/財政ポピュリズムの限界/均衡財政主義と普遍主義/財政ポピュリズムと社会の価値の共有/価値を共有するのは簡単ではない――維新の会の緑の政策/コスパを乗り越える注おわりに参考文献