内容
「自分らしく音楽的なリズム感」を発見して習得しよう
リズムが良ければ,ギタ-演奏は絶対に下手には聴こえません.
逆にリズムが悪ければ,どんなに指が速く動いても,その評価は「下手なギタリスト」です.
しかし「リズムの悪さ」に悩んでいるギタリストは多くいます.
そんな方にとって救いとなる可能性のある情報をまとめたのが本書です.
従来のリズム教本は,単に「メトロノ-ムに合わせて正確に弾こう」というスタイルが基本でしたが,それでは本当に音楽的な演奏にはたどり着けません.
本書ではそういった既存の常識とは少し視点を変えて,それぞれのギタリストが自分に必要なリズム感を音楽的に習得するための方法を提案しています.
「機械のように正確なリズムの習得」ではなく,読者それぞれが自分自身の中に持っている固有のリズム感を覚醒させよう,というのが主旨です.
メカニカルなトレ-ニングではなく,
1 それぞれに合ったリズム感を得るためのピッキングやフォ-ムなどを模索するヒント
2 リズムそのものの理解を深めるための情報
3 「グル-ヴ」をきちんと把握して演奏するための解説
などに力を入れました.
リズム感に,絶対的にこれが正しいリズム感なのだ!という「正解」はありません.
必要なのは「自分らしいリズム感」なのです.
それが表現できるようになれば,あなたのギタ-演奏は,より音楽的になり,多くの人が耳を傾ける,輝きを増したものになるでしょう.
※本書の読者には,既刊『99%の人が弾けていない「本当のグル-ヴ・カッティング」』もおオススメです.
【本の内容】
■STEP1 ピッキング・フォ-ムでリズム感が変わる
リズムってなんだろう?
譜割の読み方
口でリズムが言えるならあなたのリズム感はバッチリ!
リズム感習得のための練習環境
リズムを乱す犯人を特定しよう
ピッキング・フォ-ムのチェック・ポイント【単音編】
ピッキング・フォ-ムのチェック・ポイント【ストロ-ク/カッティング編】
ダウンとアップを対等にする意識【単音,リフ】
フレ-ズが持つリズム的特徴を把握【単音】
H&Pによるリズムの安定化【単音】
3連符/シャッフルのストロ-ク・パタ-ン
ゴ-スト・ノ-ト/ブラッシングを軽やかに弾くコツ
フラット・ピックでのアルペジオ
速弾きはリズムをコントロ-ルできない
リズム感向上ベ-シック・エクササイズ1
■STEP2 柔軟なピッキング・パタ-ンがリズム安定化の鍵
オルタネイト・ピッキングへのこだわりを捨てよう
ノン・オルタネイト・ストロ-ク
単音フレ-ズのノン・オルタネイト・ピッキング
リズム感向上ベ-シック・エクササイズ2
■STEP3 グル-ヴの正体
世界のリスナ-はリズムに反応する
ストロ-ク・スピ-ドのコントロ-ル【カッティング】
ダイナミクスが均一なコ-ド・プレイはNG【カッティング】
ウラの遅れは問題なし!
まるごとズラして味にする【リフ】
16ビ-トのウラには幅がある
ヒップホップ/R&Bに見るリズムの訛り
シャッフルでのポリリズミック・アプロ-チ【ソロ】
アコ-スティック・ギタ-は奏法もリズム表現になる
ソロのタイム感は個性
周波数とリズムの関係
グル-ヴ・コントロ-ル・エクササイズ(ポップ・ロック,ラウド系ロック,AOR,クラシック・ロック)
付録ダウンロ-ド
電子版用の音声デ-タはこちらからダウンロ-ドできます.
MP3(ZIP)[72.8MB]
著者プロフィ-ル
竹内 一弘(たけうち かずひろ)
Whereabouts Recordsを立ち上げ,国内外のア-ティストを発掘.マスタリング・エンジニアとしてもフル回転中で,メジャ-・レ-ベル~インディ-ズ・ ア-ティストから絶大な信頼を得ている.ギタ-とアナログ機材をこよなく愛するも自身はテクノ・ア-ティストで,モ-ドやポリリズムで理論武装した個性的なエレクトロニック・ミュ-ジックをリリ-スしアンダ-グラウンド・ シ-ンで注目されている.音楽ライタ-としては多数の著書を執筆.音楽理論に明るく,中でもモ-ド理論についてはこれまで日本になかった独自の切り口で,誰にでも分かり使える理論書を発表し好評を得ている.
編集担当より一言
ムック『99%の人が弾けていない「本当のグル-ヴ・カッティング」』では,長年の研究に裏打ちされた斬新な視点のレクチャ-で,多くのギタリストの目からウロコをバッサバッサと落としまくった竹内一弘さんの,シリ-ズ最新作です.今回はそのグル-ヴやカッティングにも密接に関わってくる「リズム感」がテ-マ.
全ギタリストにとって重要なテ-マであり,『99%の人が弾けていない「本当のグル-ヴ・カッティング」』を読んだ方もそうでない方にもぜひ一読してほしい1冊です.
今回も竹内さんらしい,他にはない角度からのリズム感上達法が満載.「演奏フォ-ムや機材セッティングがリズム感にどう影響するか」,そんな方向から考えたことはなかったですし,山下達郎さんの名演「SPARKLE」の左右カッティングの波形を用いて「なるほど!」と思わせるリズム感論を展開する本なんて見たことありません(笑).
本書で書かれているのは,著者の竹内さん自身が長年悩んでいた「リズム感の悪さ」から脱却することができるきっかけとなったアイディアや方法です.同じようにリズム感に悩むギタリストにとって,本書が「脱出口」になることを祈っています.
(第3編集統轄部/杉坂功太)
・版型:AB判
・総ペ-ジ数:112
・ISBNコ-ド:9784845633296
・出版年月日:2019/01/20