作文得意な少女は作家になる夢を追いかけた
全三章の構成.
第一章「〈希望〉を書く」――小学生時代の作文修行から作家デビュ-,数度の挫折を経て直木賞受賞までを描く半生の記に始まり,「武道館で見たくらいに小さいけれど,でも見える」という愛に満ちた長文の忌野清志郎論など.全21篇.(第一章は全体の半分を占める)
第二章「旅の時間・走るよろこび」――〈旅のエッセイ〉と見せかけて実はフィクションという見事な短篇小説「それぞれのウィ-ン」で幕を開け,「永遠,という美」と題したシャネルN°5のドキュメントがつづく.そして台湾・韓国・バリ・スペインへの旅,さらには那覇マラソンと西表島マラソンの鮮やかな記録.全12篇.
第三章「まちの記憶・暮らしのカケラ」――これはUR都市機構の雑誌に連載された17篇を一挙収録.住んでいる町の素顔から東日本大震災で失われた町,そして日々の暮らしを生き生きと描いたエッセイまで.全17篇.
2012年から2019年までに書かれたエッセイの中から厳選した充実の一冊.そのなかでも冒頭に収録した半自伝は女性誌に連載された15ペ-ジに及ぶ感動的な名篇である.
・角田 光代
・版型:文庫型
・総ペ-ジ数:240
・ISBNコ-ド:9784094071139
・出版年月日:2022/02/04