名もなき人々の営みに,真の歴史があった
柳田国男,折口信夫と並ぶ民俗学の巨人・宮本常一.彼は,各地の歴史や文化,産業などの民俗学的調査を進めるなかで,自らの足で日本列島をすみずみまで歩き,人々から膨大な話を聞いた.それを通して触れた人々の生活意識や文化の奥深さ・多彩さを,既存の民俗学の方法を超えて,紀行,座談,聞き書き,随筆など様々な手法を用いて浮かび上がらせたのが『忘れられた日本人』だ.
伝統的な歴史叙述には描かれてこなかった無名の人々=「庶民」が育んできた小さな歴史をひもとくことで,いまなお私たちのうちに息づく文化の基層をたどる.同時に,そこに存在したユニ-クな「公共性」「民主主義」から,現代社会に通じるヒントを読みとく.
・畑中 章宏
・版型:A5
・総ペ-ジ数:116
・ISBNコ-ド:9784142231645
・出版年月日:2024/06/01