美濃加茂市が市制施行70周年を迎える節目に、市の特産である山之上の梨を活かした新たな和と洋のスイーツが誕生しました。
その一つがこちらの「梨とシナモンのケーキ7051」。
しっとり生地に和梨のコンポートがごろごろ入ったちょっと贅沢な洋のスイーツです。
市制施行70周年記念事業としてBEAMS JAPANの監修を受けながら、地元の老舗和菓子屋「みのかも金蝶堂」が開発しました。
名前についている「7051(ナナセンゴジュウイチ)」は、美濃加茂市(太田宿)が中山道の51番目の宿場(ナカセンゴジュウイチ)であることを意味します。
美濃加茂市の魅力が伝わる商品にしたいという想いから、名前も美濃加茂市にまつわる数字をつけたそうです。
和梨の良さはなんと言っても、シャリッとした食感とその直後に口に広がるみずみずしい甘さ。
だからこそ、加工が難しい果物というイメージもあります。
今回の梨の加工に挑戦したみのかも金蝶堂の長尾竜之介さんも「和梨は旬の時に生で食べるのがホントは一番美味しいんですよ」と笑顔で話されていました。
それでもあえて加工に挑戦したのは、より多くの人に「山之上の梨」を親しんでいただくために、通年販売できる加工品を期待されていたから。
ここからは菓子職人としての技の見せ所。梨のシャリっと食感とみずみずしさを活かす絶妙なコンポートに仕立てました。
「和梨コンポートのケーキ」。梨好きにはこれだけでも美味しそうです。
しかし、より多くの人に山之上の梨を伝えるために梨好きの枠を越える必要がありました。
そこからもう一つの軸となる食材を決めるため、美濃加茂市の歴史を深堀り。たどり着いたのが「白ワイン」でした。
山之上では梨の産地になる以前も様々な果樹栽培が盛んな土地で、一時期は葡萄栽培とワイン作りも行われていたことがとある文献で分かりました。
そこから梨と白ワインの両方に合う食材としてシナモンが加わり「梨とシナモンのケーキ7051」が完成しました。
白ワインは焼き上がりに表面に塗られ、香り付けに使われています。
温故知新をモットーに、和菓子屋の伝統や技術を守りながらも和洋のジャンルを越えて新しい技法や工法を積極的に取り入れる「みのかも金蝶堂」。
今も昔も変わらない「人と人のつながり」に和菓子や洋菓子などのスイーツは一翼を担ってきました。
この「梨とシナモンのケーキ7051」は、1個を一人で食べ切ることも、複数人で分け合うこともできる大きさになっています。
自分へのご褒美や身近な方とのティータイム、日頃お世話になっている方への手土産などなど。
気取らない身近な方とのひとときを彩るツールとして、美濃加茂の新しい洋スイーツ「梨とシナモンのケーキ7051」はいかがでしょうか。
レポート・撮影:菊池 拓也
(2024年6月1日掲載)