ミツバチの羽音にかこまれて、手にも大量のミツバチ。 大丈夫でしょうか。
ビビっている筆者に「ミツバチの機嫌が悪いと刺されるけど今は大丈夫そうよ」と、藤井養蜂の藤井さんが声をかけてくださいました。
素手で触る藤井さん、さすがに慣れた手つきです。
今回ご紹介するのは、藤井養蜂がお届けする美濃加茂市発の百花蜜。
採蜜の現場最前線から、オススメポイントをお届けします!
自然への好奇心から始まった養蜂とハチミツ もともと自然が大好きな藤井さん。7年前、憧れのニホンミツバチを自宅で飼ったことが養蜂の始まりでした。しかし、繊細なニホンミツバチはすぐに巣を去ってしまうため、毎年観察したい想いから西洋ミツバチの飼育へ。
すると、養蜂の道具を譲ってくれる方が現れ、養蜂を教えてくれる先生と出会い、最初は1箱だったのが、4箱、16箱……と年々増えて、ついに養蜂場をつくることになったのです。現在なんと400箱!
「すべては縁です。ありがたい」と藤井さん。
確かに、近くで見ると可愛いミツバチ
巣箱の中は、1匹の女王蜂から生まれた1つの家族。
「働き蜂は、ローヤルゼリーを作ったりロウで巣を増設したり。年を取ると花粉採集、不思議なことに年齢ごとに役割が変わるの。女王蜂が選ばれる経緯も不思議だし、知れば知るほど奥が深くて、毎日たのしいよ」
怖いのは、腐蛆(ふそ)病などの蜂の伝染病や、熊など野生動物の襲撃、そして自然災害。
「でも、何でも、やっていかないと分からないから。課題にぶつかったら対策を考える。夏の猛暑でロウがとけることもあって、今年は日陰での飼育も試してみる予定。大変だけど、そもそも毎年同じなんてことはないからね」
趣味で様々な果樹栽培もされていたという藤井さん、これまでの経験から「その土地に合ったものだけが大きく育っていく」と話します。「無理して育てても、数年たつと結果がわかる。美濃加茂とミツバチの相性はどうなのか……どんな結果になろうとも、いつでも覚悟はしています」
糖度78度超の自然な甘さ、百花蜜の魅力 巣箱に蜜を発見しました。
今年は開花が早いせいか、3月の巣箱にハチミツがあることも初めての経験だそうです。
こぼれたハチミツを味見。
ヤバい。美味しい。
何の花の蜜だろう……コクがありながら後味は爽やか。自然そのままの味はやはり格別です。
「商品の味と比較してみませんか?」
糖度78度以上を基準としている藤井養蜂のハチミツ。
ところでこの容器、握る手を緩めるだけで、スッとハチミツが切れます。「どなたにも毎日、手軽に味わってほしい」と2年前から採用している人気の容器。子どもでも使えそう。
さて、実食です。
やっぱり美味しい、嫌味のないコクと甘さ! でも……
「ん? さっきと花の種類が違う?」
藤井養蜂のハチミツは百花蜜。様々な花が咲く美濃加茂市、その自然風景がそのまま映し出されます。葡萄のでき具合などでその年のワインの味が決まるように、花のでき具合やブレンドの妙が、ハチミツの味に凝縮されているんです。
「その年に咲かない花もあれば、同じ花でも同じ蜜がでると限らない。年によっても時期によっても変化する、その二度とない味わいを楽しんでもらえたら嬉しいですね」
ハチミツに、美濃加茂の自然と出会いをつめこんで 藤井さんにオススメの食べ方を伺うと、「そのままスプーンでペロン!」
加糖も加熱もしていない自然のままの藤井養蜂のハチミツ、殺菌性にすぐれ、口臭予防や虫歯対策にもなるんですって。
「最近知ったけど、ソフトクリームにハチミツも合うね」
養蜂を始めて新たな出会いと経験が広がっているという藤井さん、ハチミツや蜂に対する考え方、扱い方の違いにも興味津々です。
本当に楽しそうな姿、美濃加茂の土地のパワーもあるのでしょうか。
「北海道など各地の養蜂現場を体験した自分の先生も、美濃加茂近辺がいいと。自分のやりたい想いに、流れるように大切な出会いを運んでくれた。土地のパワー、あるかもしれないね」
美濃加茂市の出会いと自然がつめこまれた藤井養蜂のハチミツ。
口に含むと広がる美濃加茂の豊かな景色、どうぞ味わってください。
※乳児ボツリヌス症予防のため、1歳未満の乳児には与えないでください(厚生労働省)。
レポート:橋本 佳奈
カメラマン:小池 輝、丹下 恵実
編集協力:谷 亜由子
(2021年3月1日記事作成)