源氏物語 五十四帖の色 The Tale of Genji 紫紅社
源氏物語の色として再現した植物染料の解説「植物染料のいろいろ」を掲載。
さらに本書に登場する植物を和名(ローマ字)と英語表記で一覧掲載。
染色や色材の資料としても役立つ一冊です。
*本書は、2008年第一刷発行の『「源氏物語」の色辞典』
(吉岡幸雄著 紫紅社刊)を底本に、染色図版および一部テキスト、資料を引用し再構成・再編集したものです。
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出版社 : 紫紅社
発行日 : 2024/5/1 第2刷
言語 : 日本語、英語
ペーパーバック : 272ページ
寸法 : 18 x 13 x 2.5 cm
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『源氏物語』では、第一帖「桐壺」から第五十四帖「夢浮橋」まで、
それぞれの物語に登場する女君、男君たちが、競うがごとくに何枚も重ねた美しい衣装「襲の色目」(かさねのいろめ)を、
紫式部がさまざまな人物の視点から語らせることで、日本の四季の彩りの豊さと多彩さを描写している。
染色家(故)吉岡幸雄は、『「源氏物語』の色辞典』(2008年刊)で、
『源氏物語』五十四帖を丹念に読み解き、物語のなかで語られる色と衣裳に焦点をあて、
同時に、平安時代の宮廷や寺社などの宗教提起・行政的な規定をまとめた法令集『延喜式』に
記された染織と植物染についての記述を解読し、平安王朝の「襲の色目」を往時の染色法そのままに再現した。
新装再編集版となる本書には、吉岡幸雄がこだわり抜いた五十四帖の色彩図版をすべて掲載。
テキストは染色と色材の解説を中心に抜粋し、掲載全文に英文を並記、
美しいコンパクトサイズとして再編集を行った。『源氏物語』からの引用は、
名訳「The Tale of Genji」(源氏物語 英文版 エドワード・サイデンステッカー訳)を掲載。
『源氏物語』のさまざまな登場人物たちは、どのような衣裳を身にまとい、
その色の重なりにどのような心情のうつろいを込めたのか。
『源氏物語』を豊かな色彩で楽しむための副読本。
著者について
吉岡幸雄(よしおか・さちお/1946年〜2019年)
京都市生まれ。染織史家・染色家。「染司よしおか」五代目当主。
美術図書出版「紫紅社」創業者。
父、常雄や上村六郎、山崎青樹、前田雨城の残した研究をもとに、
染め師、福田伝士と共に古代の染色技術の再現に取り組む。
薬師寺、東大寺などの文化財の復元などに携わる傍ら、
執筆業、講演などの活動も盛んに行った。
ヴィクトリア&アルバート博物館からの依頼で植物染シルク「日本の色」を製作、
永久コレクションとして収蔵されている。主な著書に『日本の色辞典』(紫紅社)、
『日本の色を染める』(岩波新書など)
吉岡更紗(よしおか・さらさ)
京都市生まれ。大学卒業後、ファッションブランドに勤務。
西予市野村シルク博物館で染織技術を学ぶ。
2008年より「染司よしおか」にて、5代目の父・吉岡幸雄のもと染色の仕事に就く。
2019年、父の急逝に伴い6代目に。
奈良・東大寺二月堂の修二会、薬師寺の花会式、
石清水八幡宮の石清水祭などの伝統行事に関わるほか、国宝の復元などもてがける。