〈共働き・共育て〉世代の本音 新しいキャリア観が社会を変える (光文社新書 1300)

男性育休や働き方改革等、社員のウェルビーイングが企業の重要課題となった現代。しかし、すべてのケアワークを妻に担わせ、ペイドワークに時間を無制限に注入してきた中高年男性が大方を占める経営層と、現場で働くミレニアル世代では、ワーク・ライフ・バランスの感覚に大きな隔たりがある。本書は、〈共働き・共育て〉を指向するミレニアル世代がいかに仕事と生活、子育てを両立し、そのための様々な障害にどう対処しているかについて、「デュアルキャリアカップル」(それぞれがキャリアを自律的に考えて形成し、仕事も家庭も充実させる夫婦)を対象に行ったインタビュー調査(プロジェクト座長:佐藤博樹)の書籍化。子育て世代の当事者、特に表出することの少ない男性の本音がふんだんに書かれている。著者は、DEI推進とハラスメント防止を軸に、企業向け研修、調査などを行う21世紀職業財団の研究員。企業の経営陣、人事担当者にとってはもちろん、両立に悩むデュアルキャリアカップル当事者のヒントにもなる本。