四国山脈・寒風山のふもと、天気が急変する本川地区で、空が低く唸るように鳴るときの音「ゴオウゴオウ」。そんな自然の迫力と恵みを、お酒の味わいで表現した純米大吟醸酒です。広がる黒雲を思わせるまったりしたフルボディ感と、CEL24とスーパーCEL24酵母が生み出すフルーティな香り。まるで果実のような香り、豊かな甘旨が口いっぱいに広がりますが、後味は意外なほど軽やか。日本酒特有の重たさを感じさせません。原料米には五百万石を100%使用、精米歩合50%まで磨き、丁寧に仕込みました。食中酒としても、食後の一杯にもぴったりなこのお酒で、自然の息吹を感じてみてください。
◆使用酵母:CEL24 + スーパーCEL24
高知県開発酵母CEL24は、パイナップルや洋ナシを思わす華やかな果実香(カプロン酸エチル系)が特徴です。甘口で香りの高い酒に仕上がり、香り重視の純米大吟醸酒に向いています。発酵力がやや弱く、醸造には高い技術が必要です。スーパーCEL24はCEL24の香りの特徴を保ちながら、より発酵性や使い勝手を改良した酵母です。甘さと香り、キレのバランスがとれています。
◆飲み方
冷やして飲むのがおすすめ
蔵元:川澤酒造/ 山に雲が(やまにくもが)
2024年、高知県いの町に誕生した川澤酒造は、標高750mの山中で自然と共に酒造りに挑む新鋭の蔵元。代表で杜氏の川澤貴久氏は、東京農大醸造家卒業後国の試験場に就職、その後高知県の亀泉酒造で20年間酒造りに携わってきた方です。
銘柄『山に雲が』は、川澤氏がこの地を訪れた際に見た幻想的な風景を酒の名にしました。目指すのは飲みやすさ。ワインのようなパインや桃を思わせる華やかな香りと、甘み・酸味・苦味が調和したモダンな味わいが魅力です。知り尽くした高知酵母の特性を最大限活かした造りで、和洋問わず料理との相性も抜群。SNSでは「フルーティな完成度の高さに驚いた」「軽快な甘味を持ちながらも、すっきりした酸と苦味で食事に寄り添う」など高く評価されています。今後の展開が楽しみな注目の蔵です。