連鎖 黒川博行
このリアリティはある意味革新的。
連鎖する凄惨な事件の全貌をあなたは見抜けるか!
会社社長の失踪に端を発する事件は徐々に「どえらい」事件へと発展していく。映画オタクでグルメな勤ちゃんと麻雀好きのジロさんコンビの地道で丹念な捜査が、複雑に絡み合った事件の真相を着実に手繰り寄せる!
捜査中の勤ちゃんジロさんコンビの会話や食事、麻雀に興じる様子は人の営みの匂いがちゃんとする。凄惨な事件の捜査なのだが、彼らにとってそれは仕事であり日常であるということがごく自然に示される。
そこに圧倒的なリアリティがあり、著者の滑らかな筆致とも相まって、長編ながら一気に読ませる面白さ。2人の刑事に軽妙な会話でくすりと笑い、その捜査手腕に脱帽する、本格警察小説の白眉!ここに爆誕!
黒川博行
中央公論新社
576ページ131×191(mm)
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