良質を謳ったエクスラバージンオイルの共通点として次のようなことがあげられます。
- 収穫方法が手摘みであること
- 収穫後10〜14時間以内の搾油であること
しかし、このような製法のエクストラバージンオイルは世界中に星の数ほどあり、それらを差し置いてこだわりのであるといえるオルチョサンニータの決定的な違いとは次のようなことからです。
一軒の極小規模のオリーブオイル専業農家ジョバンナ・マッツァ家により製造される
栽培から製造まで同じようでも、一つ一つ彼らのこだわりのもと製造されます。
オルチョサンニータの生産地は比較的気候条件・地理的条件に恵まれオリーブ果実の敵、オリーブバエが発生しにくいところであるという点。
万一オリーブバエの被害にあった果実は摘みません(被害は一目でわかります)
収穫は適期に短期間のうちに行います。
オリーブ果実のもつ有効成分(ポリフェノール・ビタミン類、その他微量成分)が一番ピークに達した時を見計らい手摘みで収穫します。製造も収穫後のオリーブ果実はとてもデリケートなのですぐ痛み始めます。規定では24時間以内の搾油が義務付けられていますが
遅くとも10時間以内に搾油されます。
オイルとして搾油された後は、通常ろ過しすぐ瓶詰めしてしまえば製品になりますが、
オルチョサンニータはろ過をしません。
有効成分や美味しい部分がろ過によって失われるからです。ろ過をしないため2ヶ月ほど、自然分離させ沈殿物を除去、上積みだけを別なタンクに移し変える作業を三回繰り返します。
このように、一連のオリーブオイルになるまでの作業に最善の仕事をして出来上がったのがオルチョサンニータです。なお、沈殿が終わらないうちに瓶詰したものには果肉が沈殿します。それがしぼりたての香りと味わいを楽しんでいただける、桜の咲く季節恒例のあらしぼりオルチョです。
ある年のオイルの風味は、アーティチョークの花、アーモンド、青いバナナ。
オリーブオイルはワインのように風味や味を言葉で言い表します。生産者のジョバンナは、オルチョサンニータをアーティチョークの花の香りとアーモンドの香り、そして青いバナナの風味があるオイルと表現しております(毎年風味は異なります)。アーティチョークはわかりにくいと思いますが、日本風に表現しますと菜の花の香り、に似ています。お味は南イタリアの典型的な特徴を持つ熟成された濃厚な味、マイルドですがどっしりとした味わいのあるエキストラバージンオイルです。新モノのオイルが到着したばかりなら、まだ若々しい味ですが、フレッシュな香りは素晴らしいものです。時間が経つとアーモンド香が強くなりお味の方は熟成されよりマイルドになります。日々変わるオリーブオイルの味と香りをお楽しみいただくのもおもしろいでしょう。