【Ver5製作の経緯】 Ver4のユーザーであるお客様や店舗様さらに自分自身より、使っているうちに「もっと、こうして欲しい、そうしたい」と要望が集まり始まりました。例えば1)各種チェックバルブの溝幅に合致した刃先の幅(厚み)がベスト、2)ランタンフレーム装着のまま、補助ハンドルを使いたい、などです。そして、それら要望を改善点にまとめ、製作に携わる職人さんたちと実現性を含め、多くの検討を重ねた上に、この度Ver5を完成させました。もちろんVer4同様に発売前には店舗様およびヘビーコレクター様にて試作品のテストを約8ケ月間行った上での最終製品となります。Ver5はVer4の欠陥の修正ではありません。Ver4をもっと進化させたレンチとなります。 【Ver5.1の特長】 Ver5の特長は大きく2点あり、以下解説します。尚、材質・硬度・加工・メッキ施工・製作会社は基本的にVer4と同じです。 1.Ver4から1種類増えて、9種類のチェックバルブに対応した両刃型のレンチとなります。名付けて二刀流。20年代後半から30年代前半まで存在したシングルストーブおよびランタン・ランプのラージサイズのチェックバルブ*1) にも対応できるようにしました。 *1) 初期のラージサイズは30年代前半以降のラージサイズと比べ、サイズは少し小さく、溝幅も狭くなっています。 2.ランタンフレーム装着のまま、補助ハンドル(別売:MT015)がフレームに接触することなく使用できる*2) 約20cmのロングサイズです。特にダブルマントル系のフレームは取り外しが面倒なことから、この要望が生まれました。 *2) テーブル等に置いて補助ハンドルを使った場合、ハンドルはフレームには接触しませんが、一部機種ではタンクサイズ・シリンダー角度により地面に接触する場合があります。この場合、ランタン本体をテーブルの端などに置き、補助ハンドルの可動空間を確保してください。 【Ver5.1の変更点】 お客様のご要望より、太刃側に目印を付けました。これで太刃・細刃の見分けが直ぐにできます。 【その他】 この1本を完成させるために6社様が携わっています。ネジ切り・穴あけ・メッキなど前後の工程はそれぞれ専門の会社で行っております。ポスター下部に写っている皆様は、実際に設計や製作に携わった方々です。 【宣伝】 二刀流 チェックバルブよかかってこいや!ということで、このレンチでチェックバルブを外せば、溝をなめません。また、なめてしまったチェックバルブでもセットさえできれば、外せてしまう驚異のレンチです。このレンチはチェックバルブを確実に捕らえ、固着していても確実に外せる非常に機能的なレンチです。使い方は↓↓↓Youtubeにアップ↓↓↓しましたので、どうぞご覧ください。種類は異なりますが、同系のレンチです。 参考情報:このコネクトロッド型レンチは2000年代初めに米国人コレクターによって発明され、今では世界中に広まっています。下の動画は2006年当時にその開発者によって販売説明用として撮影されたもので、元祖の米国製レンチです。 レンチと言えば、昔からコールマンの純正レンチがありますが、それはチェックバルブに近年登場したゴム製のOリングがはまっていることが前提のレンチで、つまり、爪が浅くても、また、さほど力を入れなくても外せる仕様で製作されたレンチです。従って、Oリングのないオールド機に、この純正レンチを使うと、チェックバルブの溝を舐めてしまう可能性が高く、お勧めできません。 是非、大王レンチでオールド機のメンテナンスすることをお勧めします。もちろん、Oリングを持つ200Bや286などの現行機でもお使いになれます。尚、現在出回っているコネクト型レンチではUSA用とカナダ用の2種類対応できるとありますが、このレンチは両方はもちろん、合計9種類に対応しています。 【重要:取り扱い時の注意点】 このレンチ使用含め分解メンテナンス全般に言える心得は1)作業中は気を抜かないこと 2)絶対に無理はしないこと 3)少し慣れたところで過信に陥らないこと。傷・凹みなど復旧困難な事故やランタン自体をジャンクする可能性、またご自身も火傷やけがをする場合があります。これは私の経験からです。正しい知識の理解、ベテランへの相談や諦めを受け入れるメンタルを持つべきです。 下表以外のチェックバルブには使用しないでください。レンチ・コネクトロッド・チェックバルブ・タンクなどを破損する可能性があります。以下は一例です。 ・コールマン以外のチェックバルブのネジ山は合わない場合が多いです。強引にコネクトロッドをねじ込まないでください。 ・刃先を薄くするためハンマーで叩くなどレンチの加工はしないでください。もちろん強度は落ちます。 コネクトロッドのネジ溝もメッキが乗っているため、ローレット加工の留めネジやチェックバルブへのネジ込みは初めは抵抗を感じる場合があります。2-3度通せばスムーズになります。 固着しているチェックバルブを外す横着な方法として、ハンマーなどの器物でこのレンチやスパナを叩く方がいます。力の強弱によりますが、叩くリスクとして、刃先に相当な負荷がかかりますので、刃こぼれやタンク内のポンプシリンダーを破損させてしまう可能性があります。固着するチェックバルブを外すポイントは、タンクをいかに固定するかです。"叩き"ではありません。 やり方1:安定したテーブルの上で、片手でタンクをしっかり抑え、もう一方の片手でスパナを回す。 やり方2:第三者にタンクを抑えてもらって、スパナを回す。 やり方3:タンクにタオルを巻き、安定した床に立て、両膝立ちで太もも下付近ではさみ込み、スパナを回す。 整備後のチェックバルブを取り付ける際は、是非Oリングを装着、または、交換して取り付けてください。次回の取りやすさのためです。Oリングはこちらで販売しています。尚、チェックバルブのラージサイズと逆さランタン用には、構造上Oリングを装着することはできません。 |