はやりもののむずかしさ。 帽子にはいろいろな種類があるけど、
ジャンルとはまた別に「流行りもの」をnakotaで発売するのは、
思った以上に、というか、かなり高等な技術が要求されます。
今、とても人気のあるフライトキャップも、
少し手頃なものを見るとファーや生地、そして全体のフォルムも含め、
若者と言える歳をとっくに超えた自分には「ちょっと違う」と感じてしまう。
しかし、高級ブランドのような雰囲気を出しすぎると、
寒い散歩で気軽に被る感じが失われるような気がします。
小難しいことを考えてしまうのは職業病ですね。
本来ファッションは気楽に楽しむべきなのに。
そうやって腕を組みながらつらつらと考えを巡らせていくと、
「流行りもの」であるフライトキャップを絶妙なバランスで製作するのは難しく、
近年はなかなか手を出せなかったのです。
(実は流行り始める前に一度製作したことがあります。
その時はおかげ様で完売しました)。
そんなせせこましい性格をこじらせながら、
ようやくnakotaで販売することになったフライトキャップ。
フェイクファーの雰囲気と、何よりフォルムをゆったりさせ、
被った時に「無理してない感」を出せるようにしました。
この「無理してない感」が、「似合ってる」という状態に近いと思います。
誰にでも似合うなんて大胆なことは言えませんが、
nakotaのお客様には満足して被っていただける帽子になったと思います。
普段この種類の帽子を持っていない方にも、
冬のコレクションにぜひ加えていただきたいです。
近所の散歩でも、冬の旅行先でも活躍し、周りからの反応も良いと思います。
耳のフラップにはポケットを付けました。
最初はホッカイロを入れたら面白いと思ったのですが、よく考えるとそこまで必要な場面はそうそうないかもしれません。
素敵な使い方を見つけた方、ぜひ教えてください。
nakota 吉田