歯科衛生士講座 歯周病学 第5版

【編集主幹】沼部幸博 齋藤淳 梅田誠
【編集委員】石井里加子 佐藤陽子 野村正子

B5判 ・オールカラー ・256頁

歯科衛生士免許の取得を目指している方々の知識・技能・態度向上に役立ち、また臨床現場で活躍されている歯科衛生士さんにとって、知識の整理・確認につながる一冊。
歯科衛生士への復職を考えている方々にとっても、歯周病学の再履修と、現在の臨床現場の現状把握に応用できます。
卒前教育の教育現場だけでなく、臨床現場での指南書としての利用にも対応させています。
改訂にあたり、ここ数年で新しくなった知見や、最新情報を盛り込みました。

第5版では、「歯科衛生士国家試験出題基準」と本書との対照表を、
弊社のWEBサイト内「追加情報」に掲載しております。ぜひご活用ください。
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目次

第1部 基礎編
第1章 わが国の歯周病の現状
 1.わが国の歯周病の現状
 2.歯周病の病態と発症

第2章 歯周組織の解剖・組織
 1.歯肉
  (1)歯肉と歯槽粘膜  /(2)歯肉上皮  /(3)歯肉結合組織(歯肉固有層)  /(4)歯槽粘膜 
 2.歯槽骨
  (1)固有歯槽骨  /(2)支持歯槽骨 
 3.歯根膜(歯周靱帯)
  (1)細胞成分  /(2)線維成分 
 4.セメント質
  (1)無細胞セメント質  /(2)細胞性セメント質

第3章 歯周組織の生理
 1.歯肉と歯の付着
  (1)上皮性付着  /(2)線維性付着 
 2.歯の生理的近心移動
 3.咬合
  (1)咬合の定義  /(2)下顎位

第4章 歯周病の病理
 1.歯周組織の病変
  (1)歯肉炎  /(2)歯周炎 
 2.萎縮
  (1)歯肉退縮
歯周病科の現場から
  歯周治療における歯科衛生士の業務範囲

第2部 臨床編
第1章 歯周病の病因
 1.歯周病の発病因子
  (1)炎症による歯周組織の病態  /(2)歯周病の原因
 2.病因の分類
  (1)初発因子(直接因子)  /(2)修飾因子(増悪因子)

第2章 歯周病のリスクファクター
 1.リスクファクターとは
 2.歯周病のリスクファクター
  (1)細菌因子  /(2)宿主因子(全身的因子、局所的因子)  /(3)環境因子

第3章 歯周病の徴候と病態
 1.ポケットの形成
 2.ポケットの種類・様相の分類
  (1)上皮性付着部の位置による分類  /(2)ポケットの軟組織壁と硬組織壁
 3.歯肉の発赤・腫脹
 4.歯肉の増殖と退縮
  (1)歯肉の増殖と肥大  /(2)歯肉退縮
 5.ポケットからの排膿と歯肉溝滲出液(GCF)の増加
  (1)滲出のメカニズム  /(2)歯肉溝滲出液の内容物と排膿  /(3)歯肉溝滲出液の功罪
 6.アタッチメントロス(付着の喪失)
  (1)アタッチメントロスとアタッチメントゲイン  /(2)臨床的アタッチメントレベル測定の意義  /(3)ポケットデプスとアタッチメントレベル 
 7.歯の病的動揺
  (1)歯の動揺度の判定基準  /(2)動揺度を変化させる因子
 8.歯槽骨の吸収
  (1)歯槽骨吸収の原因  /(2)歯槽骨吸収のタイプ  /(3)歯槽骨の吸収形態  /(4)歯槽骨の形態異常
 9.根分岐部病変
  (1)根分岐部病変の原因
 10.口臭
  (1)口臭症の国際分類  /(2)生理的口臭  /(3)病的口臭  /(4)仮性口臭、口臭恐怖症

第4章 歯周病の分類と臨床的特徴ならびに対応
 1.歯周病の分類
 2.各種歯周病の特徴・原因、症状・処置
  (1)歯肉病変  /(2)歯周炎  /(3)壊死性歯周疾患  /(4)歯周組織の膿瘍  /(5)歯周−歯内病変  /(6)歯肉退縮  /(7)咬合性外傷
歯周病科の現場から
  歯周病の新分類について

第5章 歯周病の検査と診断
 1.検査の意義・目的
  (1)検査の意義  /(2)検査の目的  /(3)各種検査
 2.歯周組織周囲の検査
  (1)歯周組織検査  /(2)エックス線検査  /(3)歯列・咬合状態の検査  /(4)細菌性因子の検査  /(5)外傷性因子の検査  /(6)口腔習癖の検査
 3.その他の検査
  (1)口臭の検査  /(2)疫学的指数を用いた検査  /(3)先進的な歯周病の検査
 4.診断の意義・目的

第6章 歯周病の予防と治療 治療計画の立案
 1.歯周病の予防
  (1)歯周病予防の考え方  /(2)歯周病予防の具体的な手段
 2.歯周治療の原則、治療計画の立案
  (1)治療の基本的考え方  /(2)治療の進め方  /(3)治療計画の意義と立案の原則  /(4)歯周治療への患者の導入

第7章 歯周基本治療
 1.意義と目的
 2.歯周基本治療の内容
  (1)緊急処置と全身への配慮  /(2)プラークコントロール  /(3)スケーリング・ルートプレーニング  /(4)歯周ポケット〓爬  /(5)暫間固定  /(6)当面の咬合確保  /(7)咬合調整  /(8)う蝕・歯内治療  /(9)習癖の改善  /(10)矯正治療  /(11)保存不可能な歯の抜歯
歯周病科の現場から
  手用スケーラーと超音波スケーラーの臨床的評価

第8章 再評価
 1.歯周基本治療後の再評価
  (1)目的  /(2)検査項目
 2.治療計画の修正
 3.メインテナンス・SPT 移行前の再評価

第9章 歯周外科治療
 1.総論
  (1)歯周外科の意義・目的  /(2)軟組織の創傷治癒  /(3)歯周外科治療の要件  /(4)歯周外科治療の種類
 2.各論
  (1)歯周外科治療器具  /(2)組織付着療法  /(3)歯周組織再生療法  /(4)切除療法  /(5)歯周形成手術

第10章 根分岐部病変の処置
 1.根分岐部病変の検査と治療方針
  (1)根分岐部病変の検査  /(2)根分岐部病変の治療方針
 2.根分岐部の処置法
  (1)歯根の保存療法  /(2)歯根の分割抜去療法  /(3)歯周外科治療後の再評価

第11章 歯周治療における口腔機能回復治療
 1.永久固定と欠損補綴
  (1)永久固定とは  /(2)永久固定の目的  /(3)永久固定の適応症  /(4)固定の種類  /(5)歯科衛生士の役割  /(6)欠損補綴
 2.歯周−矯正治療
  (1)目的と意義  /(2)小矯正治療  /(3)歯科衛生士の役割  /(4)保定  /(5)歯周組織の反応

第12章 インプラント治療と周囲疾患
 1.インプラント周囲組織と周囲疾患
  (1)インプラント周囲組織  /(2)インプラント周囲疾患  /(3)インプラント周囲組織の検査
 2.インプラント周囲組織のメインテナンスと治療
  (1)インプラント治療後のメインテナンス(supportive therapy)  /(2)インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎の治療
 3.インプラント治療における歯科衛生士の役割

第13章 薬物療法
 1.歯周治療に用いられる薬剤とその効果
 2.目的
 3.全身に用いられる薬剤とその用法
  (1)抗菌薬  /(2)消炎酵素薬  /(3)鎮痛薬・鎮静薬
 4.局所に用いられる薬剤とその用法
  (1)洗口剤  /(2)ポケット内洗浄薬  /(3)局所塗布軟膏  /(4)歯周ポケット内注入軟膏

第14章 メインテナンスとSPT
 1.メインテナンスとSPT
 2.メインテナンスとSPT の意義、目的
 3.メインテナンスとSPT の方法
  (1)メインテナンスの方法  /(2) SPT の方法
 4.リコールとは
  (1)リコールの時期  /(2)リコールの間隔の決定要因

第15章 ペリオドンタルメディシン
 1.ペリオドンタルメディシンとは
  (1)ペリオドンタルメディシンとは  /(2)ペリオドンタルメディシンの基本概念
 2.歯周病とその他の全身疾患
  (1)歯周病と糖尿病  /(2)歯周病と肥満  /(3)循環器疾患  /(4)歯周病と骨粗鬆症  /(5)早産・低体重児出産  /(6)歯周病と誤嚥性肺炎  /(7)歯周病と関節リウマチ
歯周病科の現場から
  ペリオドンタルメディシンとモチベーション

第16章 高齢者の歯周治療
 1.高齢歯周病患者の特徴
 2.高齢者に対する歯周治療の概念
 3.歯周治療の留意点
  (1)全身状態の把握  /(2)的確な予後の判定  /(3)常用薬物の確認
 4.歯周治療の進め方
  (1)プラークコントロール  /(2)スケーリング・ルートプレーニング(SRP)  /(3)咬合調整  /(4)歯冠修復、欠損補綴装着者への対処
歯周病科の現場から
  障害児者における口腔保健のスペシャルニーズについて

第17章 歯周治療におけるチーム医療
 1.歯周治療とチーム医療
  (1)チーム(医療)アプローチとは  /(2)歯科診療におけるチームアプローチ  /(3)歯周治療におけるチームアプローチ
 2.歯周治療の流れにおける歯科衛生士の役割
  (1)歯周組織検査、診断における役割  /(2)歯周基本治療における役割  /(3)歯周外科治療における役割  /(4)メインテナンス・SPT における役割  /(5)情報伝達と歯科衛生士業務記録
 3.歯科衛生ケアプロセス(歯科衛生過程)
  (1)歯科衛生ケアプロセスとは  /(2)歯科衛生ケアプロセスの構成要素  /(3)歯科衛生ケアプロセスと歯周治療

索引