歯科衛生士講座 歯周病学 第6版
【編集主幹】沼部幸博 齋藤淳 梅田誠
【編集委員】合場千佳子 佐藤陽子 満足愛
■B5判 ■オールカラー ■272頁 ■2025年2月
歯科衛生士免許の取得を目指している方々の知識・技能・態度向上に役立ち、また臨床現場で活躍する歯科衛生士にとって、知識の整理・確認につながる一冊。
改訂にあたり、新しくレーザーの章を追加し、スケーリング・ルートプレーニングの内容を充実させた。また、歯周病の診察、検査、診断の章では、項目の入れ替えを行い、より読みやすくなるよう工夫した。
卒前教育の教育現場だけでなく、臨床現場での指南書としての利用にも対応。歯科衛生士への復職を考えている方にとっても、歯周病学の再履修と現在の臨床現場の現状把握に応用できる。
第6版では、新たに「令和4年版 歯科衛生士国家試験出題基準」と本書との対照表を作成し、弊社のWEBサイト内「追加情報」に掲載している。
第1部 基礎編
第1章 歯周病を理解するために
1.わが国の歯周病の現状
2.歯周病の病態と発症
第2章 歯周組織の解剖・組織
1.歯肉
(1)歯肉と歯槽粘膜 /(2)歯肉上皮 /(3)歯肉結合組織(歯肉固有層)
2.歯槽骨
(1)固有歯槽骨 /(2)支持歯槽骨
3.歯根膜(歯周靱帯)
(1)細胞成分 /(2)線維成分
4.セメント質
(1)無細胞セメント質 /(2)細胞性セメント質
第3章 歯周組織の生理
1.歯肉と歯の付着
(1)上皮性付着 /(2)結合組織性付着(線維性付着)
2.歯の生理的近心移動
3.咬合
(1)咬合の定義 /(2)下顎位
第4章 歯周病の病理
1.歯周組織の病変
(1)歯肉炎 /(2)歯周炎
2.萎縮
(1)歯肉退縮
3.加齢変化
(1)歯肉 /(2)歯根膜 /(3)セメント質 /(4)歯槽骨
歯周病科の現場から
歯周治療における歯科衛生士の業務範囲
第2部 臨床編
第1章 歯周病の病因
1.歯周病の発病因子
(1)炎症による歯周組織の病態 /(2)歯周病の原因
2.病因の分類
(1)初発因子(直接因子) /(2)修飾因子(増悪因子)
第2章 歯周病のリスクファクター
1.リスクファクターとは
2.歯周病のリスクファクター
(1)細菌因子 /(2)宿主因子(全身的因子、局所的因子) /(3)環境因子
第3章 歯周病の徴候と病態
1.ポケットの形成
2.ポケットの種類・様相の分類
(1)上皮性付着部の位置による分類 /(2)ポケットの軟組織壁と硬組織壁
3.歯肉の発赤・腫脹
4.歯肉の増殖と退縮
(1)歯肉の増殖と肥大 /(2)歯肉退縮
5.ポケットからの排膿と歯肉溝滲出液(GCF)の増加
(1)滲出のメカニズム /(2)歯肉溝滲出液の内容物と排膿 /(3)歯肉溝滲出液の功罪
6.アタッチメントロス(付着の喪失)
(1)アタッチメントロスとアタッチメントゲイン /
(2)臨床的アタッチメントレベル測定の意義 /
(3)ポケットデプスとアタッチメントレベル
7.歯の病的動揺
(1)歯の動揺度の判定基準 /(2)動揺度を変化させる因子
8.歯槽骨の吸収
(1)歯槽骨吸収の原因 /(2)歯槽骨吸収のタイプ /(3)歯槽骨の吸収形態 /
(4)歯槽骨の形態異常
9.根分岐部病変
(1)根分岐部病変の原因
10.口臭
(1)口臭症の国際分類 /(2)生理的口臭 /(3)病的口臭 /(4)仮性口臭、口臭恐怖症
第4章 歯周病の分類と臨床的特徴ならびに対応
1.歯周病の分類
2.各種歯周病の特徴・原因、症状・処置
(1)歯肉病変 /(2)歯周炎 /(3)壊死性歯周疾患 /(4)歯周組織の膿瘍 /
(5)歯周−歯内病変 /(6)歯肉退縮 /(7)咬合性外傷
歯周病科の現場から
歯周病の新分類について
第5章 ペリオドンタルメディシン
1.ペリオドンタルメディシンとは
(1)ペリオドンタルメディシンとは /(2)ペリオドンタルメディシンの基本概念
2.歯周病とその他の全身疾患
(1)歯周病と糖尿病 /(2)歯周病と肥満 /(3)循環器疾患 /
(4)歯周病と骨粗鬆症 /(5)早産・低体重児出産 /(6)歯周病と誤嚥性肺炎 /
(7)歯周病と関節リウマチ /(8)その他の疾患との関連
歯周病科の現場から
ペリオドンタルメディシンとモチベーション
第6章 歯周病の診察、検査、診断
1.診察・医療面接
(1)医療面接 /(2)全身検査
2.検査の意義・目的
(1)検査の意義 /(2)検査の目的
3.歯周組織周囲の検査
(1)視診による検査 /(2)歯周組織検査 /(3)エックス線検査 /
(4)歯列・咬合状態の検査 /(5)口腔清掃状態の検査 /(6)基本的な細菌検査 /
(7)外傷性因子の検査 /(8)口腔習癖の検査 /(9)口臭の検査
4.疫学的指数・その他の検査
(1)疫学的指数 /(2)先進的な歯周病の検査
5.診断の意義・目的
第7章 歯周病の予防と治療 治療計画の立案
1.歯周病の予防
(1)歯周病予防の考え方 /(2)歯周病予防の具体的な手段
2.歯周治療の原則、治療計画の立案
(1)治療の基本的考え方 /(2)治療の進め方 /(3)治療計画の意義と立案の原則 /
(4)歯周治療への患者の導入
歯周病科の現場から
手用スケーラーと超音波スケーラーの臨床的評価
第8章 歯周基本治療
1.意義と目的
2.歯周基本治療の内容
(1)緊急処置と全身への配慮 /(2)プラークコントロール /
(3)スケーリング・ルートプレーニング /(4)歯周ポケット〓爬 /(5)暫間固定
(6)当面の咬合確保 /(7)咬合調整 /(8)う蝕・歯内治療 /(9)習癖の改善 /
(10)矯正治療 /(11)保存不可能な歯の抜歯
第9章 再評価
1.歯周基本治療後の再評価
(1)目的 /(2)検査項目
2.治療計画の修正
3.継続管理移行前の再評価
第10章 歯周外科治療
1.総論
(1)歯周外科治療の意義・目的 /(2)軟組織の創傷治癒 /(3)歯周外科治療の要件 /
(4)歯周外科治療の種類 /(5)歯周外科治療の適応症と禁忌症
2.各論
(1)歯周外科治療器具 /(2)組織付着療法 /(3)歯周組織再生療法 /
(4)切除療法 /(5)歯周形成手術
第11章 根分岐部病変の処置
1.根分岐部病変の検査と治療方針
(1)根分岐部病変の検査 /(2)根分岐部病変の治療方針
2.根分岐部の処置法
(1)歯根の保存療法 /(2)歯根の分割抜去療法 /(3)歯周外科治療後の再評価
第12章 口腔機能回復治療
1.永久固定と欠損補綴
(1)永久固定とは /(2)永久固定の目的 /(3)永久固定の適応症 /
(4)固定の種類 /(5)歯科衛生士の役割 /(6)欠損補綴
2.歯周−矯正治療
(1)目的と意義 /(2)小矯正治療 /(3)歯科衛生士の役割 /(4)保定 /
(5)歯周組織の反応
第13章 インプラント治療と周囲疾患
1.インプラント治療
(1)歯科用インプラントシステム /(2)インプラント体の埋入手術 /
(3)歯周治療におけるインプラント治療
2.インプラント周囲組織と周囲疾患
(1)インプラント周囲組織 /(2)インプラント周囲疾患 /
(3)インプラント周囲組織の検査
3.インプラント周囲組織のメインテナンスと治療
(1)インプラント治療後のメインテナンス(supportive therapy) /
(2)インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎の治療
4.インプラント治療における歯科衛生士の役割
第14章 薬物療法
1.歯周治療に用いられる薬剤とその効果
2.目的
3.全身に用いられる薬剤とその用法
(1)抗菌薬 /(2)消炎酵素薬 /(3)鎮痛薬・鎮静薬
4.局所に用いられる薬剤とその用法
(1)洗口剤 /(2)ポケット内洗浄薬 /(3)局所塗布軟膏 /
(4)歯周ポケット内注入軟膏
第15章 歯周治療におけるレーザー
1.レーザーの発振原理と特性
(1)レーザーの発振原理 /(2)レーザーの性質 /(3)レーザーの分類 /
(4)生体との相互作用
2.レーザーの臨床応用
(1)歯周治療への応用 /(2)安全対策
第16章 メインテナンスとSPT
1.メインテナンスとSPT
2.メインテナンスとSPT の意義、目的
3.メインテナンスとSPT の方法
(1)メインテナンスの方法 /(2) SPTの方法
4.リコールとは
(1)リコールの時期 /(2)リコールの間隔の決定要因
第17章 高齢者の歯周治療
1.高齢歯周病患者の特徴
2.高齢者に対する歯周治療の概念
3.歯周治療の留意点
(1)全身状態の把握 /(2)的確な予後の判定 /(3)常用薬物の確認
4.歯周治療の進め方
(1)プラークコントロール /(2)スケーリング・ルートプレーニング(SRP)/
(3)咬合調整 /(4)歯冠修復、欠損補綴装着者への対処
歯周病科の現場から
障害児者における口腔保健のスペシャルニーズについて
第18章 歯周治療におけるチーム医療
1.歯周治療とチーム医療
(1)チーム(医療)アプローチとは /(2)歯科診療におけるチームアプローチ /
(3)歯周治療におけるチームアプローチ
2.歯周治療の流れにおける歯科衛生士の役割
(1)歯周病検査、診断における役割 /(2)歯周基本治療における役割 /
(3)歯周外科治療における役割 /(4)メインテナンス・SPT における役割 /
(5)情報伝達と歯科衛生士業務記録
3.歯科衛生ケアプロセス(歯科衛生過程)
(1)歯科衛生ケアプロセスとは /(2)歯科衛生ケアプロセスの構成要素 /
(3)歯科衛生ケアプロセスと歯周治療
索引