◆魚津の酒蔵「本江酒造」 大正14年宮内吉次郎氏により富山県魚津市本江にて創業。当時、地元魚津港が鮭鱒船団で賑わう北洋漁業の船団基地であったため、その隆盛に肖って銘柄を「北洋」と命名したと伝えられています。その後一貫して、立山山麓水系の豊富な伏流水、兵庫県産の山田錦、富山県初の自主開発酒米雄山錦をもとに、銘柄の由来に恥じない海の幸に合う酒を造り続けています。年間約1800石の生産量のなかで、11ブランドの商品を製造販売している酒造です。 すっきりとした風味とあと味のよさは、海の幸との相性もよく、飲み飽きせず、蜃気楼の見える海の街魚津の風土と文化に根ざした酒蔵として親しまれています。
山田錦を35%まで精白して造る限定大吟醸「酒造年度」など品質への頑固なまでのこだわりと、プライベートブランドも数多く手掛けるユニークな商品開発が全国でも高い評価を得る理由のようです。
魚津商工会議所青年部が企画したプライベートブランド「純米吟醸じゃんと恋魚津」は今年で20年になります。魚津の酒蔵「本江酒造」でつくられた華やかな香りの吟醸酒です。
大正7年(1918年)魚津で起きた「米騒動」が、2018年には100年を迎えることから、これを記念した「米騒動100年」のドキュメンタリー映画「百年の蔵」(神央監督 ヴィジュアルフォークロア)の制作が平成28年からスタートしました。
米騒動の歴史を語り継ごうと魚津で活動を続けるNPO法人「米蔵の会」のメンバーや地元企業の経営者らが組織する『「百年の蔵」製作委員会』が中心になって取り組んでいます。
米騒動の歴史的な背景を知ろうと地元の高校生たちが100年前の魚津を調べ歩く姿を追うドキュメンタリーで、魚津工業高校・桜井高校・新川高校の生徒がキャストとして出演しています。完成記念上映会が新川文化ホール、本江公民館3階大ホールで行われました。
◆蜃気楼の見える街 魚津 蜃気楼の見える街 魚津市は富山県の東部に位置し、北西には富山湾が広がり、「蜃気楼・埋没林・ほたるいか」が三大奇観としてよく知られています。
南東には、最大標高2,415 メートル(釜谷山:毛勝三山の一つ)に達する山岳地帯が迫っており、北アルプスに連なっています。これらの山々を源として、片貝川、布施川、早月川や角川などの河川が、市内を潤しながら富山湾に注いでいます。
海中では、海底が急傾斜となり深層まで落ち込んでいます。そのため、魚津の港は昔から良港として船の出入りが多く、海底の湧水に育まれ魚の種類も量も豊富で魚津の名のごとく県下屈指の漁場として広く知られています。
この様に海抜0mから標高2400m以上の山岳地帯までが、奥行きわずか約25kmに収まる大変急峻な地形から成り立っています。この地形は海中まで続き、水深1000mにまで達します。この高低差3400mの地形の中を、表流水(片貝川水循環、布施川、鴨川、角川、早月川)や伏流水(地下水)といったさまざまな経路で海(富山湾)に流れ出ています。
この魚津の水循環が、おいしいお酒の元になります。
◆第50回「じゃんとこい魚津」まつり