『千年の思い』葉文玲著 日中を往来した人々の足跡を数千年の時間軸で辿る
●日中を往来した人々の足跡を数千年の時間軸で辿る
浙江省を代表する女性作家が、日本と中国を往来した人物たちの足跡を、数千年の時間軸に沿って辿る。自ら行った日本での取材をもとに、豊かな想像力と繊細な表現力でみずみずしく描き出す文学作品。
【目次】
最初の使者――徐福/金印の証――「漢委奴国王」/遣唐使の奇聞――吉備真備/数奇の人――阿倍仲麻呂/海を越えてきた学問僧――空海/心は鏡の如し――鑑真和上/一杯の緑茶、栄西を語る/音色が語る「尺八」の由来/世に丹青を残す――雪舟/舜水、後世を潤す/柔道の元祖――陳元贇/孫文と儒侠宮崎滔天/扶桑(日本)は正に秋日和の美しさ――秋瑾/色づく紅葉、初冬に映える――魯迅/嵐山の詩碑――周恩来総理/中日友好関係再開の重鎮――廖承志/孤児美穂子を救う――聶元帥/思いは敦煌へ――平山郁夫/漢字の魅力――南鶴渓
著者:葉文玲(よう・ぶんれい)
1942年浙江省玉環県生まれ。
中国作家協会主席団委員、浙江省作家協会名誉主席。
作品に「心香」(1980年全国短編小説賞、『当代』栄誉賞)、「無夢谷」(1997年魯迅文芸賞)ほか多数。
散文にも優れ、2002年に全国第一回「冰心文学賞」受賞。
作品集として『葉文玲文集』(全8巻、作家出版社)がある。
人間の運命や内面を情感を込めて細やかに描く作品は多くの読者を持ち、中国の国語の教科書にも採用されている。