神奈川大学評論 第106号(2024年8月発行)

1987年に創刊した「神奈川大学評論」は、“アカデミック・ジャーナリズム”をコンセプトとする雑誌です。 <知>の現場である大学ならではの広く深いテーマと、一大学という枠にとらわれない執筆陣による充実した特集。社会、歴史、政治、生命、思想、ジェンダー、世界情勢、記憶、未来──私たちをとりまく<いま> を、さまざまな切り口で展開しています。
◆目次
1.建築逍遥
ポタラ宮 空と大地のあいだ:鈴木信弘
2.エッセイ
現代の差別、承認欲求を考える:暉峻淑子
特集:台所
3.対談
食と料理:井上ユリ・島村菜津
4.特集評論
私の台所:海老名香葉子
幸田家の台所:青木奈緒
台所に戻ろう:沢野ひとし
小さな魚屋の大きな丸座卓:竹内ひで子
アイヌの食と台所:宇井眞紀子
「令和の台所改善運動」から未来へ:阿古真理
台所にあまりいない私の、台所の話:大島 歩
台所のメタモルフォーゼ――沖縄離島社会の現在:加賀谷真梨
台所の近代史からエコロジーを考える――ドメスティック・ディスタンスIII:須崎文代
5.詩
湖のほとりを:山本純子
6.特別寄稿
大増税を暗示するインボイスと消費税のからくり:斎藤貴男
7.論壇時評
3・11以後の大規模災害と被災地・被災者をめぐる問題:開沼 博
8.美術
斎藤義重、吉田克朗、横浜トリエンナーレ:柏木智雄
9.映画
企画展〈ジェラール・フィリップと忘れじの名優たち〉を終えて:馬場祐輔
10.演芸
古典落語に生きる女性たち:林家つる子
11.科学
台所というフィールド――食文化学のすすめ:佐藤洋一郎
12.世界から/世界へ
アフリカの知恵:松田素二
13.羇旅奇譚
失われた旅の感覚:ブルナ・ルカーシュ
14.研究の周辺
森吉山が語る物語:村井まや子
15.書評
セルバ・アルマダ著『吹きさらう風』:柳原孝敦
ジェフリー・ロバーツ著『スターリンの図書室──独裁者または読書家の横顔』:横手慎二
茅辺かのう著『茅辺かのう集成――階級を選びなおす』:伊達聖伸
平井和子著『占領下の女性たち──日本と満洲の性暴力・性売買・「親密な交際」』:茶園敏美
中村哲也著『体罰と日本野球──歴史からの検証』:森田ゆり
吉村良一・寺西俊一・関礼子編『ノーモア原発公害──最高裁判決と国の責任を問う』:東郷佳朗
奥田宏子著『宮廷詩人チョーサー──悲しみの道化師』:多ヶ谷有子
野口啓子・池野みさお・山口ヨシ子編著『アメリカ文学にみる女性の教育』:武田貴子
小熊誠著『沖縄における門中の歴史民俗的研究』:渡邊欣雄
関口博巨著『古文書修復講座──歴史資料の継承のために』:田上 繁
16.編集者のおぼえ書き
ドラマを見ながら:竹内涼子
17.遅筆堂文庫だより(5)
井上ひさしと米原万里:井上 恒
18.コラム
正岡子規 人生のことば 第六十回:復本一郎
19.歴史の証言:古文書の語る時代と社会(100)
メモが伝える「肉声」とその時代のウチナーグチの位置:後田多 敦
図書館のみかた はてなの相談窓口――レファレンスカウンターへようこそ:伊藤さやか