千年の桜に山の神 根尾谷に咲く樹齢1500余年を誇る巨木の桜は、継体天皇お手植えの桜と伝えられ、淡いピンクのツボミが、満開になれば白に、散り際には淡い墨色になる事から、薄墨桜と名付けられたと言われます。エドヒガンサクラの薄墨桜は、大正11年10月に「内閣省天然記念物指定1号」に選ばれた日本を代表する桜で、孤高の桜の神秘な姿を見るために、山間部にもかかわらず多くの方が訪れます。
私が、撮影で訪れたのは満開から四日目、まさしく薄墨桜と言われる時期に巨木の一本桜と対峙しました。千数百年を生き続け、いくつもの時代を見て来た桜は、圧倒的な存在感を示すと同時に、訪れた多くの人の中心に静かに佇んでいる印象を受けました。山間の澄んだ空気が冷たく感じましたが、照らす太陽から春の温もりを感じることができる穏やかな時に、薄墨桜の後方にある山の重なる位置より不思議な雲が現れました。薄っすらと現れた雲は、次第に立体感が増していったのですが、私には目と口を持つ物体に見えるようになったのです。その光景や大きさから、神話で語られるダイダラボッチが現れた?と思いました。
たまたま薄墨桜から距離を置いていたので、後方の山の上空まで視野に入っていましたが、多くの方は桜の近くにいたために山の奥まで見えていなかったようです。
その不思議な状況を撮影していた時に、美しいエネルギーが降り注ぐように、天から光が入りました。薄墨桜は、幾度も生命の危機を乗り越えて1500年と言われる樹齢を保っています。撮影を行った前年にも、大きな台風の影響で枝の損壊等により、開花を不安視する声がありました。そのようなことからも、撮影時に現れた物体は、開花を心配した根尾谷の神であったのでは?と考えています。
写真には人に伝え訴える力や心を動かす力があり、総じて写真力と言われます。
神話の世界を写したような写真からあらゆる良縁を思い描き開運を感じ取っていただきたいと思います。
大変稀な写真は縁起が良い写真とも言われます。飾り眺めていただき、より良い事が起こりますように願っています。また皆様の心の糧となれば嬉しく思います。
写真工房・優良課