内容説明
「健常者/障害者」「強者/弱者」「文明/未開」という近代的な二項対立を乗り越え、触常者と見常者の豊かな異文化間コミュニケーションの可能性を提案する。本書は、世間の障害観に一石を投じる触常者発の触発の書である。「野生の勘」と「未開の知」をキーワードとし、本書で語られる著者自身の「無視覚流ライフ」を追体験してみよう!
目次
「野生の勘」と「未開の知」
第1部 人類学―「目に見えない世界」のフィールドワーク(無文字文化の沃野を歩く―東海大学での講演会(二〇一八年一二月)から
文化相対主義に基づく障害研究の可能性
五感で味わう、五感を味わう)
第2部 博物館―触文化研究の現場(多様な「from」を育む博物館―日本ミュージアム・マネージメント学会大会での基調講演(二〇一七年六月)から
国立民族学博物館からの発信
偏差知からの脱却―知的障害者との協働の意義 ほか)
第3部 射真集「我が半年」―二〇一八年七月〜一二月『日本経済新聞』連載コラムから(三本足の役割;災害弱者は復興強者;さわる絵本展 ほか)
盲人と海
著者等紹介
広瀬浩二郎[ヒロセコウジロウ]
1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。01年より国立民族学博物館に勤務。現在はグローバル現象研究部・准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)