商品説明内容説明
交通市場の冷静な観察、先見性に富む提言、膨大な研究成果量での角本良平の交通探索の足跡を辿る。角本良平は全生涯を通して交通の本質探究の活動に従事した。現業部門での課題の摘出、1950年代より始めた先駆的都市交通研究、住宅都市建設と一体の通勤新幹線の提案、自動車時代での国鉄改革の提唱、文化、哲学、宗教の中での交通学のあり方を論じた、現実遊離であってはならないとする角本交通論の本質を紐解く。
目次
第1章 角本良平の人と著作
第2章 実態把握に基づく都市交通研究
第3章 東海道新幹線事業への参画と通勤新幹線構想
第4章 自動車交通時代の交通体系
第5章 国鉄改革への提案
第6章 JRへの移行と1987年体制への懸念
第7章 道路公団改革への提案
第8章 角本交通論1―実学の追求
第9章 角本交通論2―交通体系論
第10章 単著以外での学会貢献と自身の回顧
著者等紹介
杉山雅洋[スギヤママサヒロ]
流通経済大学理事・早稲田大学名誉教授、商学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
角本良平は超人的な研究活動を行い膨大な数の貴重な研究実績を残したが、その事後的整理がなされているのかと問えばその限りではない。角本の生誕から百年を過ぎた今日、その研究の旅路を辿っておく重要性は極めて大きい。角本を忘却の彼方に置くとすれば学界の損失でもある。
角本は自ら考え、自ら現場を冷静沈着に観察し、それを可能な限り客観的データで確認した。その研究プロセスから数々のユニークな提案を行った。それらを全10章で紹介するのが本書の大きな狙いである。先行文献の乏しかった中での都市交通の研究、東海道新幹線建設事業での経験を生かした通勤新幹線構想、高速道路料金決定原則での時間便益算定への疑念、土光臨調に先立って分割民営化を提唱した国鉄改革論、その視点からの道路公団改革、郵政改革への評価等多岐にわたる角本の主張を整理・紹介する。その上で交通の本質を文化、哲学、宗教との関連での探究に努めた。
角本交通論の特色は実学であり、その手法を演釋・帰納ではなく、類推、類型に求めた。その背景には角本の人並外れた豊富な研究量があり、実学としての交通学の体系化が生み出された。角本の交通探索の偉大な足跡を振り返る意義は大きい。
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