内容説明
著者が幼き頃に経験した、非ユダヤ人の父へのナチによる暴力、ユダヤ人の母の自殺未遂、強制収容所移送の数日前に起きた空爆作戦と混乱、そして未だトラウマとして残る空襲大火の中での断末魔―。記憶を辿りながら掘り起こされる第二次世界大戦下のハンブルクの姿。
目次
第1章 戦時下の子ども
第2章 母の話
第3章 毒された空気
第4章 目覚め
第5章 ゴモラ作戦
第6章 隠れ家の月
第7章 解放
第8章 川べりの避難所
第9章 ウリの話
第10章 新世界
第11章 ブランケネーゼの子どもたち
著者等紹介
イングラム,マリオン[イングラム,マリオン] [Ingram,Marione]
1935年、ハンブルク生まれ。第二次世界大戦下のドイツで、ユダヤ人の母と非ユダヤ人の父の娘として成長した。ホロコーストだけではなく、何万もの人々が殺戮され、市の大半が破壊された1943年の大空襲も経験し、終戦までの約2年間を隠れ家で過ごした。1952年にニューヨーク市に移住し、ニューヨーク近代美術館で働き、芸術を志す者たちとアトリエをともにした。1960年にワシントンDCに転居した後、結婚し、母、アメリカ市民、公民権運動家となり、学生非暴力調整委員会のスタッフとしてミシシッピでフリーダム・スクールを運営した。ファイバー・アーティストでもあり、その作品はアメリカとヨーロッパで展示された
村岡美奈[ムラオカミナ]
関東学院大学国際文化学部専任講師。筑波大学大学院地域研究研究科、ニューヨーク市立大学ブルックリン校大学院ユダヤ学部を経て、ブランダイス大学大学院近東ユダヤ学部博士課程修了。博士(近東ユダヤ学)。専門は近代ユダヤ史およびアメリカ・ユダヤ史。在学中にニューヨークのユダヤ遺産博物館で教育インターンとしてホロコースト教育に努める
北美幸[キタミユキ]
北九州市立大学外国語学部教授。アメリカ史・アメリカ研究。九州大学大学院比較社会文化研究科博士後期課程単位取得退学。博士(比較社会文化)
寺田由美[テラダユミ]
北九州市立大学文学部教授。アメリカ史。広島大学大学院文学研究科(西洋史学専攻)博士課程後期単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)