古典の未来学―Projecting Classicism

著者:荒木 浩【編】
出版社:文学通信

商品説明

内容説明

古典研究が近未来の人文学に提示すべき、学際的な意味や国際的可能性を追究する。いま誰が何を考え前に進んでいるのか。新しい古典学を提示する、刺激的で多角的な論集。



目次

1 投企する古典性(古典を見せる/古典を活きる;投企する古典性/古典との往還;古典を問う/古典を学ぶ;古典を観る/古典を描く;古典を展く/古典を翻す;古典と神話/古典と宗教)
2 特論―プロジェクティング・プロジェクト(「投企する太平記―歴史・物語・思想」から;「日本漢文学プロジェクト」から)
3 Projecting Classicism in Various Languages(“Distance Reading,Migration of the meaning and Metempsychosis through Translation:Is “World Literature or Global Art” Possible?―Comparative Literature and Art in the Context of the Globalization―”;“Projecting Classicism in Classical Kabuki Theatre―A Gender Perspective”)



著者等紹介

荒木浩[アラキヒロシ]
1959年生まれ。国際日本文化研究センター教授・総合研究大学院大学教授。専門は日本古典文学。京都大学大学院博士後期課程中退。博士(文学、京都大学)。大阪大学大学院教授を経て、2010年4月より現職。国文学研究資料館併任助教授、コロンビア大学客員研究員、ネルー大学、チューリヒ大学、ベトナム国家大学、チュラーロンコーン大学、ソフィア大学の客員教授などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報

古典研究にとって、いまは決定的なピンチか、千載一遇のチャンスか。

古典研究の方向や古典性のありかを広く考察し、新しい古典学を提示しようとする書。

全44名により、古典研究が近未来の人文学に提示すべき、学際的な意味や国際的可能性を追究した、刺激的で多角的な論集。

いま誰が何を考え前に進んでいるのか。
古典研究の最前線から今後の可能性を問いかけ広げようとする、ヒント満載の書です。

古典と付き合う全ての人に。

執筆は、荒木 浩、松平莉奈、中前正志、上野友愛、石上阿希、土田耕督、屋良健一郎、前島志保、グエン・ヴー・クイン・ニュー、平野多恵、山藤夏郎、野網摩利子、河東 仁、河野貴美子、岡田圭介、竹村信治、飯倉洋一、渡部泰明、渡辺麻里子、中野貴文、呉座勇一、山本陽子、楊 暁捷、深谷 大、齋藤真麻理、三戸信惠、前川志織、金容儀、ヴィーブケ・デーネーケ、河野至恩、ゴウランガ・チャラン・プラダン、李 愛淑、エドアルド・ジェルリーニ、アンダソヴァ・マラル、ダニエル・シュライ、和田琢磨、谷口雄太、亀田俊和、井上泰至、伊藤慎吾、合山林太郎、葛 継勇、稲賀繁美、ガリア・ペトコヴァ(執筆順)。

[目次]
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序論 〈投企する古典性―Projecting Classicism〉から「古典の未来学」へ[荒木 浩]

一、研究の現在と消えゆく未来─コロナ禍と『なぐさみ草』

二、『なぐさみ草』の投企性から〈未来学〉へ

三、〈投企=Projecting〉する古典性とは

四、本論集の企画と構想 五、「古典の未来学」へ

? 投企する古典性

第1部 古典を見せる/古典を活きる

1?1 古典を見せる―展示という方法

第1章 女子大で古典を展示するということ―実践報告とそれに基づく若干の考察[中前正志]

一、はじめに

二、古典籍展示履歴

三、見られてなんぼの展示

四、わたし、ふじのちゃん。

五、京女に久米の仙人が落ちてきた!?

六、あることないこと二人の会話をでっち上げる

七、おわりに

第2章 美術で楽しむ古典文学―「徒然草」展の事例報告[上野友愛]

一、はじめに

二、企画の経緯

三、海北友雪筆「徒然草絵巻」の展示

四、現代語訳の作成

五、来館者からの声

六、おわりに

Column 1

文化をつなげる場としての展覧会

―ロンドン大学SOAS大英博物館の国際共同研究プロジェクトを事例として[石上阿希]

一、はじめに

二、国際共同プロジェクト

三、国際春画研究プロジェクトの場合

四、大英博物館春画展のその後

1?2 古典を活きる―韻文の創作とその展開

第3章 即興と記憶?中世和歌連歌における「擬作」「本歌」「寄合」をめぐって[土田耕督]

一、序

二、「擬作」と本歌取─和歌における即興性:〈予見/準備〉としての記憶

三、本歌取と「寄合」─連歌における即興性 ?:詞の〈自動補完〉プログラム

四、「当座の感」と「心付」─連歌における即興性 ?:〈表現〉という反応

五、結 〈随意〉創作の位置

第4章 琉球における和歌の受容と展開[屋良健一郎]

一、はじめに

二、琉球人の和歌習得

三、近世琉球人の作品

四、和歌と琉歌

五、琉球人と和歌

六、おわりに

第5章 世紀転換期日本および西洋における俳句の詩的可能性の拡大―出版、翻訳、再評価[前島志保]

一、「俳句」理解への取り組みの世界同時性

二、従来の俳句鑑賞の継承

三、新しい俳句鑑賞傾向・1─デノテーションの復権

四、新しい俳句鑑賞傾向・2―作者の感情表出として

五、新しい俳句鑑賞傾向・3─コノテーションへの注目

六、拡大される俳句の詩的可能性

第6章 教科書から実践的な俳句学まで[グエン・ヴー・クイン・ニュー]

一、はじめに

二、古に学ぶから今を生けるまで

三、豊かな言葉文化論の地位づけ

四、新しく面白い俳句学

五、まとめ

Column 2

時をかける和歌―おみくじと占い[平野多恵]

一、はじまりは、短大の授業

二、室町時代の和歌占い─阪本龍門文庫蔵『歌占』の実践

三、江戸時代の和歌占い―『晴明歌占』の実践と展開

四、「天祖神社歌占」―神社と大学の合同プロジェクト

五、おわりに─和歌を生きる

第2部 投企する古典性/古典との往還

第7章 身を投げる/子を投げる―孝と捨身の投企性をめぐって[荒木 浩]

一、捨身の投企性─清水の舞台を発端に

二、薩?王子「捨身飼虎」と雪山童子「施身聞偈」の類比とずれ

三、『三宝絵』上巻の本生譚が描く生と死

四、孝と捨身と死の描写

五、「孝」思想と死なない子

六、身を投げる?子を投げる?─仏陀の妻と一子

七、『金光明最勝王経』の虎と義母

第8章 透明な声、隔たりの消失―古典世界において〈一つ〉の世界はいかに想像されたか[山藤夏郎]

一、序

二、一つの声の分裂という歴史像

三、文字以前の理想化─「太古」表象のパターン

四、文字の原理─「分ける」ということ

五、「太古」の世界では動物とも意思の疎通が可能だった?

第9章 古代からの道行き―『行人』[野網摩利子]

一、はじめに

二、古代の悲恋をふまえて

三、約束の再設定と違反

四、嵌められた物語への抵抗

五、古代歌謡による小説の加速

第10章 『豊饒の海』縁起絵?『浜松中納言物語』、夢と転生、そして唯識思想[河東 仁]

一、はじめに

二、『春の雪』

三、『奔馬』

四、『暁の寺』

五、『天人五衰』

六、縁起論

七、おわりに

第11章 北京人文科学研究所の蔵書から考える「投企する古典性」[河野貴美子]

一、はじめに

二、『北京人文科学研究所蔵書目録』及び『続目』にみる古典籍の蒐集と研究

三、『北京人文科学研究所蔵書目録 再続』にみる典籍の蒐集

四、おわりに

Column 3

出版社の立ち上げと、これから[岡田圭介]

一、二〇一七〜一八年

二、二〇一九年

三、二〇二〇年

四、学術メディアとして

【付】貸借対照表及び損益計算書

第3部 古典を問う/古典を学ぶ

第12章 「投企」のカタチ―教室の「古典」[竹村信治]

一、は


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