内容説明
今よみがえる、思い半ばで不時着した若き軍神たちと、鹿児島沖に浮かぶ「黒島」の人々との、深い愛情の記録。昭和20年4月ごろから、黒島に日本兵の遺体が流れ着くようになった。出撃機の飛行ルート上に島があり、ろくに訓練も受けていない学徒兵や少年兵が操縦する整備不良の飛行機が海に墜落するのである。島の人たちは、生きて流れ着いた若者たちを懸命に救おうとした。
目次
三島村黒島全景
平成一五年(二〇〇三年)一二月(黒島を知った)
昭和二〇年(一九四五年)四月(柴田少尉;安部少尉;安永青年;荷物投下;江名少尉;終戦;黒島と戦後の絆)
平成一六年(二〇〇四年)五月(黒島の慰霊祭;余話(あしたよな))
著者等紹介
小林広司[コバヤシコウジ]
1957年6月14日生まれ、映画監督、プロデューサー。日大藝術学部文芸学科入学後、松竹シナリオ研究所を経て、『夢工場』『プロダクション・竜二』で自主制作映画の製作・公開に関わる。1991年、Vシネマ『ヘイ・オイラーズ』(JHV/FLICK)で監督デビュー。主な監督作品に劇映画『林檎のうさぎ』(1996年・ベルリン国際映画祭正式上映・WOWWOW/バンダイビジュアル)、プロデュース作には『萌の朱雀』(河瀬直美監督作品・1997年・第50回カンヌ国際映画祭カメラドール“新人監督”賞受賞)。2008年11月25日、肺ガンで死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)