内容説明
発達した資本主義経済のもとで利子生み資本が活躍する舞台は信用制度(銀行制度)である。『資本論』の利子生み資本論でマルクスが分析しようとしたのは、この信用制度のもとで運動する利子生み資本である。そこで、『資本論』第3部エンゲルス版第25〜27章に使われた草稿部分を取り扱うこの巻では、利子生み資本の運動の主要な舞台である信用制度とはどのような仕組みのものか、それは資本主義経済のなかでどんな役割を果たすものか、を概観する。
目次
第2篇 信用制度概説(「信用と架空資本」(エンゲルス版第25章)と「貨幣資本の蓄積。それが利子率に及ぼす影響」(エンゲルス版第26章)の冒頭部分とに使われたマルクス草稿について
「貨幣資本の蓄積。それが利子率に及ぼす影響」(エンゲルス版第26章)に使われたマルクス草稿について
「資本主義的生産における信用の役割」(エンゲルス版第27章)に使われたマルクス草稿について
「貨幣取扱資本」(エンゲルス版第19章)に使われたマルクス草稿について
『資本論』第2部および第3部の執筆時期の関連について
『資本論』第3部第1稿のMEGA版について―MEGA第2部門第4巻第2分冊の付属資料を中心に)
著者等紹介
大谷禎之介[オオタニテイノスケ]
1934年、東京都に生まれる。1957年、立教大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科に進む。1962年、東洋大学経済学部助手。同専任講師、助教授を経て、1974年、法政大学経済学部教授。経済学博士(立教大学)。1992年から、国際マルクス=エンゲルス財団編集委員。2005年から、法政大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)