内容説明
ナラティヴ・ベイスト・メディスンを皮切りに、ナラティヴ論やナラティヴ・セラピー、社会構成主義など広範で難解な事柄を、だれでもわかりやすく、なおかつ、医療実践に即して書かれたのが、本書です。「ただ話を聞けばよい」「語ってもらって傾聴すればいい」というナラティヴやNBMに対する誤解は多く、精神論や倫理観として理解されているところがあります。間違いではないですが、正解でもない。本書では、具体的な治療場面を想定しながら、ナラティヴや社会構成主義について解説し、ナラティヴの導入によってどう日常の医療業務のあり方が変わるのかを描きました。内科医である著者によって書かれた医療者のための入門書は、ナラティヴを学ぶうえでの最良の1冊となることでしょう。
目次
第1章 NBMってなに?
第2章 ナラティヴはなにに効く?
第3章 なぜNBMは広まらない?
第4章 NBMの考えの中心となる「社会構成主義」とは?
第5章 ナラティヴが注目された歴史的経緯からNBMを理解する
第6章 ナラティヴ・セラピーの実践からナラティヴを理解する
第7章 医師の物語について
第8章 NBM実践への道
第9章 医療従事者と患者との新しい関係
第10章 社会構成主義への批判:現実というものをどう考えるか
第11章 臨床での医学的情報とは「物語り」である
著者等紹介
市山康暢[イチヤマヤスノブ]
内科医。1972年長崎県生まれ。1997年3月佐賀医科大学(現、佐賀大学)医学部医学科卒業。1997年4月同大学総合診療部。2011年町立太良病院(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)