内容説明
本書では、文学には、皮肉やユーモアなどといった文学を理解し楽しむために必要なcreativity、書き手や話し手の語り口という文章を理解するために必要なnarrativityがふんだんに含まれているという点から、文学教材が単なる事実文、報告文、作られた会話文よりもコミュニケーション能力育成のための活動に有益であることを論じる。
目次
序論 コミュニケーション能力育成時代の文学教材―その位置づけと問題点
第1章 コミュニケーション能力育成を目指す英語教育と文学教材―中学校、高等学校、大学の読解教材を中心に
第2章 海外の英語教育および外国語教育における文学教材
第3章 日本の英語教育におけるオーセンティック教材の解釈―1980年代から2000年代に起きた出来事を踏まえて
第4章 「オーセンティック」教材と文学教材の境界再考―“literariness”を尺度として
第5章 creativityからとらえ直した「オーセンティック」教材と文学教材
第6章 narrativityからとらえ直した「オーセンティック」教材と文学教材
第7章 文学教材を使った英語教育の実践例―大学から、高等学校、そして中学校まで
結論 日本の英語教育における文学教材―今後の課題と展望
著者等紹介
高橋和子[タカハシカズコ]
東京都出身。東京女子大学文理学部卒業、銀行勤務を経て、お茶の水女子大学大学院人文科学研究科(修士課程)、人間文化研究科(博士課程)単位取得満期退学。1995年西南学院大学文学部英文学科専任講師、助教授、2003年退職。同年、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻修士課程(社会人特別選抜)、同博士課程、2013年博士(学術)取得。東京大学大学院在籍中に、中・高(英語)免許状更新講習講師や、小学校でJTEを担当。現在、明星大学教育学部教育学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)