内容説明
“赤十字”―日本でのイメージは“病院”くらいだろうか。“赤十字”は実は、要請があれば世界中どこにでもかけつけ、どこの国家にも属さない“中立”な立場で戦争や自然災害による飢餓、医療アクセス不能、家族の離散、都市機能の崩壊…などからの救援活動をおこなう“人道”救援団体である。その創始者アンリ・デュナンのように、困難な状況にある人々を敵味方なく救うという意識―“人道”意識を育むことで、日本人の国際感覚を問い直す。
目次
第1章 赤十字の誕生(「赤十字」思想の誕生―「人道」の萌芽;赤十字組織の創設 ほか)
第2章 カオスの中の人道活動(平和の時の「人権」と有事の際の「人道」の不明瞭さ;特定通常兵器の非人道性 ほか)
第3章 現在の人道機関に求められるものは何か(「国境なき医師団」とは;現代の国際人道機関が抱える問題とは ほか)
第4章 未来に向けての「人道支援」とその課題(ハイチに未来はあるのか;教育が果たす役割 ほか)
著者等紹介
小池政行[コイケマサユキ]
1951年生。現在、日本赤十字看護大学教授。専攻、国際人道法。1977年外務省入省、主にフィンランド、北欧を担当(〜94年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)