内容説明
忍び寄る、ドル暴落という破局。危機の核心と中長期的展望を呈示する、気鋭の論者による「世界経済危機」論。
目次
1 アメリカ覇権の崩壊―忍び寄るドル暴落という破局(「アメリカ覇権」という信仰―自由貿易主義からの脱却;ドル暴落は起こるのか?―金融危機と急速に膨張したFRBの資産;金融危機とFRBの歴史―アメリカは大恐慌から何を学んだのか?;金融危機とドル信認問題―ドル一極支配の行方)
2 金融資本主義の崩壊―経済を支えるのは信用である(金融資本主義の崩壊と経済構造の転換―エネルギーと食糧の重要性;恐慌の発生メカニズムとその後―カネとモノの乖離と原点回帰;金融資本主義の歴史分析―危機は宿命ではない;「信用」とは何か?―工学的に処理できない経済の主観的基盤;「銀行を救え!」という見せ物―誰にとっての「危機」なのか?;金融危機をマルクス恐慌論から読み解く―すべては現状分析から始まる)
3 将来を築くための価値観の転換―閉塞状況を打開する長期的ヴィジョン(金融の糾弾では見えない問題の本質―十年は続く長いトンネル;グローバリゼーションと金融危機の意味―長期の歴史から捉える;「経済」という観念自体の転換―ケインズの未来予測)