マルクスの亡霊たち―負債状況=国家、喪の作業、新しいインターナショナル

著者:デリダ,ジャック【著】〈Derrida,Jacques〉/増田 一夫【訳・解説】
出版社:藤原書店

商品説明

内容説明

「一つならずに亡霊化したマルクス」「マルクスに取り憑いた亡霊たち」を前にしての、マルクスの「純化」(=アルチュセール)と「脱政治化」(=単なるテクストとしてのマルクス)。これらに抗し、マルクスの「壊乱的」(ブランショ)テクストの「切迫さ」(=マルクスの厳命)を、テクストのあり方そのものにおいて相続せんとする亡霊的、怪物的著作。シェークスピアの真価(The time is out of joint(時間の蝶番がはずれてしまった))を知りながら結局は亡霊を厄祓いするマルクスの限界にまで踏み込み、「憑在‐錯時性」にこそ、「遺産相続」「出来事・革命・他者の到来」「法を超えた正義」の条件を見出す、マルクス、そしてハイデガーの「存在‐時間」論との全面対決。



目次

1 マルクスの厳命
2 共謀する=厄祓いする―マルクス主義(を)
3 摩耗(年齢〔時代〕なき世界の描写)
4 革命の名のもとに、二重のバリケード(不純な「不純なる不純な幽霊たちの物語」)
5 現れざるものの出現―現象学的「手品」



著者等紹介

デリダ,ジャック[デリダ,ジャック][Derrida,Jacques]
1930年7月15日、フランス統治下アルジェリアのエル・ビアール生まれ。2004年10月8日、パリにて逝去。フランスの哲学者。1964年、エコール・ノルマル・シュペリウールの教員に就任。1984年、社会科学高等研究院教授。国際哲学コレージュの初代校長も務めた。フッサール『幾何学の起源』の仏訳に付けた長大な序文で現象学者としてまず注目されたが、その後は西洋哲学のロゴス中心主義を相手にし、その脱構築を目指す思想家という像が定着する。差延、散種、グラマトロジーなどの概念を駆使した独特の語り口で緻密な読解をおこない、しばしばポスト構造主義の旗手と位置づけられる。晩年は、グローバル化や9・11、イラク戦争に対する積極的な発言などでも注目された

増田一夫[マスダカズオ]
1954年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専門はフランス思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




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