商品説明内容説明
日本軍大勝利で終わった日露戦争。その勝因はさまざまにいわれてきた。司馬遼太郎は『坂の上の雲』で、日本軍は兵力において劣ったが、作戦計画能力で上回ったためと書いたが、それは全く事実に反する。開戦時、陸軍には事前の作戦計画と呼べるものはなく、陸戦の開始は開戦から八〇日も遅れた。ではどうして陸軍は勝つことができたのか?それは、参謀本部の独りよがりの作戦計画を、現場の実情にあわせて修正し、自ら戦機をつかんで勝利に導いた各級の指揮官と献身的な兵士がいたからだ。日露開戦の経緯から終戦交渉に至るまで、新たな視点から日露陸戦勝利の実相を描く。
目次
第1章 海主陸従で始まった日露戦争(ロシア極東艦隊必敗の図上演習;帝政ロシア崩壊の一里塚 ほか)
第2章 鴨緑江と得利寺における快勝(戦争の準備なく日露戦争に入った陸軍;開戦後、急遽つくられた『新作戦計画』 ほか)
第3章 遼陽会戦と沙河会戦における失敗(大日本帝国は世界に例がない陸海二元統帥に陥った;ロシア満州軍は常に兵員不足に悩まされていた ほか)
第4章 黒溝台会戦と奉天会戦(沙河会戦後、五カ月の長期持久戦に入った;大敗したミシチェンコ騎兵集団の営口来襲 ほか)
第5章 停戦を望んだ児玉源太郎の弱気(奉天会戦は日本軍の大勝利であった;児玉の「講和工作」についての考え方は根本的に誤っている ほか)
著者等紹介
別宮暖朗[ベツミヤダンロウ]
1948年生まれ。東京大学経済学部卒業。西洋経済史専攻。その後信託銀行に入社、マクロ経済などの調査・企画を担当。退社後ロンドンにある証券企画調査会社のパートナー。歴史評論家。ホームページ『第一次大戦』を主宰するほか『ゲーム・ジャーナル』(シミュレーション・ジャーナル社)に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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