内容説明
来日したばかりのカナダ人女性に突然スーパーで話しかけられ、親切にしてあげた主婦の平野さん。そんなちょっとした親切心からよくわからないうちに日本語まで教える約束をしてしまった…。義理堅い性格の持ち主の今井さんは定年を迎えたばかり。シルバーボランティアで日本語を教えている友人の突然の頼みを断りきれず、1日だけ代役を務めることになったが…。オーストラリアで短期留学を始めたばかりの河田さん。初のパーティを楽しんでいたら突然、女の子から「日本語を教えて」と頼まれてしまった。「NO」と言えず、とりあえずスマイル。どうやら引き受けてしまったようだ…。さて、この「いきなり先生」になってしまった3人。どう乗り切ったらいいのだろうか。
目次
第1章 「いきなり先生」二日間の準備(日本語は難しいか易しいか;経験もないのに教えることになった三人のきっかけは ほか)
第2章 「いきなり先生」授業の実況中継(平野さんの教え方;今井さんの教え方 ほか)
第3章 教え方の枠組み(授業の復習;コース・デザインと授業の「流れ」 ほか)
第4章 扉の向こうへ(外国人のための扉、日本語教師のための扉;日本人教師のための扉とは ほか)
著者等紹介
荒川洋平[アラカワヨウヘイ]
東京外国語大学助教授(留学生日本語教育センター)。1961年東京生まれ。立教大学文学部仏文科卒業。ニューヨーク大学教育学大学院修了。デューク大学助手、国際交流基金日本語国際センター専任講師を経て1999年から現職、2002年からは大学院地域文化研究科助教授も兼任。専門はメタファー研究を中心とした認知言語学