内容説明
モロー、ゴーガン、ルドン、クノップフ、ミュシャらの絵画が発する複雑で謎めいた効果を「暗示を創り出す画面のレトリック」の視点から考察。絵画の象徴主義を定まった様式ではなく、様々な暗示の方法であると仮定する。
目次
序論
第一章 暗示する文様/ギュスターヴ・モロー作品における線と色彩の乖離
第二章 壁のない幻視/ゴーガンの“説教の幻視”とオーリエ
第三章 コレスポンダンスの核/ルドンの“目を閉じて”の位置
第四章 物語らぬ挿絵/オディロン・ルドンの版画集『幽霊屋敷』の方法
第五章 呼び交わす人物と背景/オディロン・ルドンの“ド・ドムシー男爵夫人の肖像”に見る隠喩的構造
第六章 喚起する類似/フェルナン・クノップフの“青い翼”から“白、黒、金”
第七章 暗示する広告/ミュシャのポスターと象徴主義のレトリック
結論
著者等紹介
喜多崎親[キタザキチカシ]
成城大学文芸学部教授、一橋大学名誉教授。早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退、博士(文学)。国立西洋美術館主任研究官、一橋大学大学院言語社会研究科教授などを経て現職。専門は一九世紀フランス美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)