内容説明
高出力、低燃費、軽量化、整備性を極限まで追求したレーシングエンジンは熱機関が備えるべき条件を、すべて高いレベルでバランスさせた究極のパワープラントである。本書は、数々の名エンジンを開発した著者が、レース用エンジンを例にとりながらエンジン設計の基本を解説する。これからのエンジン開発にも通じる、不朽の書。
目次
第1章 レーシングエンジンとは
第2章 レーシングエンジンの特性
第3章 馬力を出すための3要素の考察
第4章 企画から設計までに考慮すべき要素
第5章 エンジン設計のキーポイント
第6章 本体構造系の設計
第7章 主運動系の設計と構造
第8章 動弁系の設計と構造
第9章 システム設計の理論
第10章 レーシングエンジンの味付け
著者等紹介
林義正[ハヤシヨシマサ]
工学博士。1939年3月東京都生まれ。九州大学工学部航空工学科卒業。1962年日産自動車(株)入社。中央研究所(当時)で高性能エンジンの研究、排気清浄化技術の開発、騒音振動低減技術の開発などを経て、スポーツエンジン開発室長、スポーツ車両開発センター長を歴任。日産のレース活動を率い、全日本スポーツプロトカー耐久レース3年連続選手権獲得。米国IMSA‐GTPレース4連続選手権獲得、第30回デイトナ24時間耐久レースで数々の記録を樹立して日本車として初優勝。1994年2月に退社。同年4月に東海大学工学部動力機械工学科教授に就任、総合科学技術研究所教授を歴任。2008年、学生チームとしてル・マンに世界初出場。2012年退官と同時に(株)ワイ・ジー・ケー最高技術顧問。主な受賞歴にSpirit of Le Mans Trophy、科学技術庁長官賞、日本機械学会賞、自動車技術会賞などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)