内容説明
本書は、複雑な電子機器とコンピュータシステムを備えた現代の自動車が、どのような仕組みで動作しているかを、より深く知りたい読者(ハッカー)のための書籍です。自動車の脅威モデルの紹介にはじまり、CANバスをはじめとしたさまざまなバスネットワークを解説、さらにCANバスのリバースエンジニアリングを行います。そしてECUをハッキングするための基礎的な知識と具体的なハッキングの手法も紹介。車載インフォテイメントシステムや車車間通信についても解説した上で、そこまでに紹介した方法を用いて発見した脆弱性を攻撃するツールを実際に作成。攻撃のリスクや問題点に対する充分な知識を得た上で、読者がそれらに対応することを可能にします。
目次
脅威モデルの理解
バスプロトコル
SocketCANによる車載通信
診断とロギング
CANバスのリバースエンジニアリング
ECUハッキング
ECUテストベンチの構築と利用
ECUや他の組込みシステムへの攻撃
車載インフォテイメントシステム
車車間通信
攻撃ツールの作成
SDRを用いた無線システムへの攻撃
パフォーマンスチューニング
著者等紹介
スミス,クレイグ[スミス,クレイグ] [Smith,Craig]
セキュリティ監査および関連するハードウェアやソフトウェアのプロトタイプ開発を主な業務としているセキュリティ研究会社Theia Labsを運営。また、Hive13 HackerspaceとOpen Garagesの創設者の一人でもある。いくつかの自動車メーカーに勤務し、車両のセキュリティやツールに関する公開研究を行ってきた。専門は、リバースエンジニアリングとペネトレーションテストである
井上博之[イノウエヒロユキ]
広島市立大学大学院情報科学研究科准教授。広域ネットワークにつながる家電や自動車のセキュリティについて、実車を使った実証実験やプロトタイプの開発を通じて、脆弱性やセキュアな通信プロトコルに関する研究を行っている。一般社団法人重要生活機器連携セキュリティ協議会(CCDS)研究開発センターIoT脆弱性研究ユニット1チーフ、SECCON実行委員、セキュリティ・キャンプ全国大会講師など、情報セキュリティの分野で広く活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
車載システムへの攻撃を防ぐための書籍。セキュリティの妥当性検査を行う方法をはじめ網羅的に解説。