内容説明
個人主義と資本主義を推し進め、格差と二極化を進めた「モダニティ」(近代性)からの脱却に向けて、大衆化するイギリス文化をモダニズム論で分析せず、1920年代のはじめ、ロンドンに登場した「はしゃぐ若者たち=ブライト・ヤング・ピープル」を問い直し更新する。
目次
はじめに 「ブライト・ヤング・ピープル」の(不)可能性と(反)リベラリズム
第1部 ブライト・ヤング・ピープルの文化とモダニティ(洒落男たちの戦間期―ブライト・ヤング・ピープル、王室とメディア、そしてモダニズム;ディアギレフ的でリーヴィス的―シットウェル三姉弟のモダニズム;「ブライト・ヤング・ピープル」の黄昏と戦間期以降の英国リベラリズムの文化)
インターメッツォ(「英文学」と「モダニズム」―オックスフォードと「英国の、あるいは、英国による」リベラリズム)
第2部 保守的モダニティと拡張するリベラリズムの帝国(20世紀の世界において保守主義に籠ったリベラルな英国文化?―A・P・ハーバートの「ヒウマーの特性」と喜歌劇『タンティヴィ荘』;モダニティ論とさまざまなモダニズムが誕生するわけ―ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』と記憶/トラウマ論再考;“Artists,archaeologists,architects,etc.prefer Shell”―1930年代の英国文化と国際石油資本シェル)
おわりに 大衆化時代の英国若者文化を、モダニティ論によって、再解釈したりする?
著者等紹介
〓田英和[タカダヒデカズ]
福島大学教授/近現代イギリス文学・モダニズム
大道千穂[オオミチチホ]
青山学院大学教授/イギリス文学・文化
井川ちとせ[イカワチトセ]
一橋大学大学院教授/イギリス文学・文化
大田信良[オオタノブヨシ]
東京学芸大学教授/イギリス文学・文化
大谷伴子[オオタニトモコ]
インディペンデント・スカラー/イギリス文学・文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)