内容説明
どういう意味で、能に中国は登場したのだろう?能における日本と中国の共存というユニークな視点。唐土から伝来したアイデアに基づいて作成された唐物の神能は、日本中世の人々の中国観といかに繋がるのか。中世の能の作者と観客が中国をいかに想像したか。日本が中国と関わり始めた初期の中国のイメージを考える。
目次
1 はじめに(この講演でお話ししたいこと;能とその分類)
2 神能と唐物の神能(神能;神能の構造;世阿弥と唐事;「唐物」とは)
3 作品分析(『東方朔』『西王母』;『鶴亀』;『東方朔』『西王母』『鶴亀』の共通点;『菊慈童』について;『白楽天』における唐土)
4 終わりに
著者等紹介
ベンチュー,リム[ベンチュー,リム] [Beng Choo,Lim]
シンガポール国立大学人文・社会科学部日本研究学科准教授。シンガポール国立大学卒業。コーネル大学大学院博士課程修了。Ph.D。日本の伝統芸能および文学の研究を経て、現代文化も含めた日本文化のさまざまな分野に関心を持つ。現在は、日本の伝統芸能とデジタルテクノロジーに関するプロジェクトや能における中国の表象の研究を進めている
小松靖彦[コマツヤスヒコ]
青山学院大学文学部日本文学科教授。1961年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修了。博士(文学)。著書『万葉集と日本人』(角川選書、KADOKAWA、2014年。第3回古代歴史文化賞)など
韓京子[ハンキョンジャ]
青山学院大学文学部日本文学科教授。1970年生まれ。韓国徳成女子大学自然科学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)
滝澤みか[タキザワミカ]
青山学院大学文学部日本文学科准教授。早稲田大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程退学。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)