内容説明
本書は、産科医療機関において、妊娠・出産・子育てのスタートを支援する助産師・看護師がいかに子ども虐待予防の一端を担っているかを示したものです。子ども虐待の死亡事例は0歳の乳児が最も多く、産科医療機関退院後も親子を継続的に支えてゆくためには医療と保健・福祉機関との連携が必要になります。M‐GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を用いた分析によって見えてきた、看護職者が「気になる親子」を見つけてから多機関との連携を形成発展させてゆくプロセスとは。本書の研究は子ども虐待予防のために日々現場で奮闘している看護職の方たちの参考になることでしょう。また、質的研究法学習者のために、概念生成やカテゴリー化などM‐GTAの分析過程を詳述しました。大好評の「質的研究法M‐GTA叢書」シリーズ第2弾。
目次
第1章 研究の背景・目的と研究方法の選択
第2章 研究の枠組み
第3章 研究1 産科医療施設(総合病院)の看護職者が「気になる親子」を他機関への情報提供ケースとして確定するプロセス
第4章 研究2 産科医療施設(総合病院)の看護職者が「気になる親子」の情報を提供してから他機関との連携が発展するプロセス
第5章 研究3 産婦人科病院・診療所の看護職員が「気になる親子」を他機関の情報提供ケースとして確定するプロセス
第6章 研究4 産婦人科病院・診療所の看護職者が「気になる親子」の情報を提供してから他機関との連携が発展するプロセスおよび「連携」の発展過程の検討
第7章 理論を活用した教育プログラムの開発・実施と参加者の反応―理論の実践的応用
第8章 本研究を通じたM‐GTAの分析解説
著者等紹介
唐田順子[カラタノリコ]
山口県立大学看護栄養学部看護学科教授。日本赤十字社医療センター周産期病棟にて助産師として勤務。東京都立看護専門学校専任教員、西武文理大学、国立看護大学校を経て現職。M‐GTA研究会世話人・スーパーバイザー。修士(社会学)(東洋大学大学)、博士(看護学)(聖隷クリストファー大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)