内容説明
アウシュヴィッツとラーフェンスブリュックへの強制収容体験を経て、その記憶を書きしるすことで証言したフランス人レジスタンス女性、シャルロット・デルボー。ともに逮捕された夫を銃殺され、一緒に闘った仲間たちを次々と喪った彼女は、収容所内で演劇を上演し、パンと引き換えに本を手に入れる。あらゆるものを剥ぎとられてなお、戯曲を暗唱し、詩を想起する。「息を引きとった者たちは歌わない。でも、息を吹き返すやいなや演劇を上演するのだ」―死の知識の無益さに抗う、文学の力。
目次
男たち
“私は彼に言ったものだ”
“何て裸だろう”
“牢獄の敷居で”
“私は彼に呼びかけたものだ”
“私は羨ましい”
“私は彼を与えなかった”
“英雄のために泣くこと”
“私は自分自身に問いかけたものだった”
“あなたたちにわかるはずないでしょう”
“私はまた泣いた”
“私は彼を愛していた”
“彼は死んだ”
“愛に痛みに”
切られた首のラ・マルセイエーズ
到着の朝
“地獄では”
イヴォンヌ・ブレックに
他者たちへの感謝
“死ぬことは何でもない”〔ほか〕
著者等紹介
デルボー,シャルロット[デルボー,シャルロット] [Delbo,Charlotte]
フランスの作家。1913年8月10日、ヴィニュー‐シュル‐セーヌ(パリ南東郊)生まれ。1942年3月、レジスタンス活動を理由に夫のジョルジュ・デュダックとともにフランス警察に逮捕され、ゲシュタポに身柄を引きわたされる。夫の銃殺刑ののち、229人のフランス人レジスタンス女性とともに1943年1月24日の輸送列車でアウシュヴィッツ強制収容所に送られ、1945年4月23日にラーフェンスブリュック女性収容所にて解放された。1985年3月1日、パリにて病没。享年71歳
亀井佑佳[カメイユカ]
1986‐。フランス文学・哲学研究。立命館大学大学院文学研究科人文学専攻哲学専修博士前期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)