目次
1 提言に向けて―丹下健三の「都市のコア」とは(都市の近代化における「都市軸」と「都市のコア」;丹下健三の「今治」、あるいは「都市のコア」;雲の下の広場―丹下先生の問いへの応答)
2 提言―「都市のコア」の現代化(丹下建築から考える公共空間の未来;「都市のコア」現代化の手法―曖昧な境界と潜在自然植生;これからの新しい広場―変化を前提としたパブリックスペース ほか)
3 現地(地元)での丹下作品を含む近代建築への取り組みと関連するアーカイブの動き(四国の丹下建築;丹下健三の建築に関係する地元の活動について;香川県知事金子正則、建築家丹下健三とその周囲の人たち ほか)
著者等紹介
川向正人[カワムカイマサト]
1974年東京大学建築学科卒業、同大学院進学。1977‐79年ウィーン大学美術史研究所留学。明治大学、東北工業大学を経て、1993年東京理科大学助教授、2002年同教授、2005年より東京理科大学・小布施町まちづくり研究所長兼務。2016年定年、東京理科大学名誉教授、小布施まちづくり研究所長。主たる受賞:2016年日本建築学会賞(業績)、同学会教育賞(教育貢献)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
2021年9月15日、オンラインで開催された8大学によるワークショップ「TANGEから建築を学ぶ者への出題」。丹下健三が「都市のコア、建築のコア」という理念のもとに設計した「今治市庁舎広場(周囲の丹下建築を含む)」を対象として、理念を継承し、貴重な建築遺産を活かし、ここに精神的にも物質的にも真の「まちのコア」を実現するために、建築・都市・ランドスケープの観点から現状の壁を打破する創造的で大胆な提案を行う、大学・まち・専門家の協働によるワークショップである。このワークショップを経て、大学とまち(特に行政)と専門家(地元の建築家・建築士など)の3者間の交流と協働を継続するために、関係者の協力を得て、外部からの要請に応える、広義の「建築資料」の整理と公開、地域の動きと建築に詳しい専門家たちの組織づくりを進めていく一方で、建築学会ギャラリーでの展覧会を契機に関係大学の教員たちによる論考をまとめた一冊である。