内容説明
韓国南部の小島、過去の幻影に縛られる初老の男と少女の交流。ガーナからパリへ、アイデンティティーを剥奪された娘の流転。ル・クレジオ文学の本源に直結した、ふたつの精妙な中篇小説。
著者等紹介
ル・クレジオ,J.M.G.[ルクレジオ,J.M.G.] [Le Cl´ezio,Jean‐Marie Gustave]
1940年、南仏ニース生まれ。1963年のデビュー作『調書』でルノドー賞を受賞し、一躍時代の寵児となる。その後も話題作を次々と発表するかたわら、インディオの文化・神話研究など、文明の周縁に対する興味を深めていく。2008年、ノーベル文学賞受賞
中地義和[ナカジヨシカズ]
1952年、和歌山県生まれ。東京大学教養学科卒業。パリ第三大学博士。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。専攻はフランス近代文学、とくに詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)