出版社内容情報
『大漢和辞典』で知られる諸橋轍次が最晩年に著した『広漢和辞典』には、白川静の考えとよく似た漢字解釈がある。白川静の字書『字統』の「まえがき」に残された『広漢和辞典』への激しい批判。その意味が白川静没後20年の年に初めて明らかになる。
文化勲章 VS 文化勲章の構図
「近年その(〔大漢和辞典〕の)要略本というべき〔広漢和辞典〕が出版され、字説の部分が全面的に改められている。ただその字説は一見して明らかなように、みだりに他家の研究をとり入れたもので、その拠るところをも明記せず、ときに俗説を交え、著しく体例を失ったものとなっている。」(白川静『字統』まえがき)/ 日ごろ温厚な白川静にして、かなり激しい感情がこもったように伝わってくる言葉だが、白川静は生前、この言葉の内容について、具体的に直接語ることはなかった。(本書「あとがき」)
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【目次】
まえがき
1 どう理解したらいいのか
2 白川静の字説に近い
3 漢字総数の一割近い
4 神霊の降臨をいのる
5 長女への名づけの「史」
6 自軍を守る霊力ある肉
7 不吉な「凶」と文身の文化
8 「亜字形」の文字、二番目と白土
9 裁判と羊
10 エクスタシー状態の若い巫女
11 神体の「杵」、神意を聴く「令」
12 後ろ髪引かれる「愛」、雨乞いの「儒」
13 「道」になぜ「首」があるのか
14 「無断引用されたる箇所」
15 系統の字の意象を知ること
16 そりゃ、許慎はスゴイよ!
あとがき