内容説明
戦後、多くの日本人の子どもたちが中国に取り残された。敗戦のとき何歳だったのか、日本の父母の名前も、自分の日本名もわからない…。本書は、五年にわたる旧満洲への撮影取材にもとづいた、昭和史の証言であり、極限状態に置かれた人々の記録でもある。
目次
張文普・蘇蘭英・李喜貴・劉秀英・王国安
竇立新・劉才・李桂栄・叢桂貞・張永興
炎の東安駅 小林すみさん
才宝森・孫香艶・王明忠・唐芙蓉・金利
殺戮の開拓村 紅谷寅夫さん
孫桂珍・李桂珍・王桂珍・黄桂珍・王慶忠
地獄絵の哈爾浜 依田初美さん
張暁霞・朱長順・金淳成・張恵臣・李桂珍
飢餓の逃避行 高野伊喜夫さん
羅永祥・〓淑琴・李文君・陳桂芳・宮下正江
闇の中の奇襲 春原のぶ子さん
王威・崔文傑・李桂栄・王玉梅・張連忠
青麻畑の惨劇 高橋篤さん
劉廷久・馬靖葉・〓来玉・郭桂蘭・趙吉山
生への彷徨 斉藤桂子さん
呂永和・徐偉・馬福蘊・孫世芳・徐佐誌
三四年目の再会 早川あささん
張宝硯・張恵娟・張世清・于桂香・張俊英
肉親への鎮魂 清安悦郎さん
林徳民・馬玉珍・沈玉鳳・程玉蘭・姜連巧
一人ぼっちの祖国 Aさん
著者等紹介
江成常夫[エナリツネオ]
1936年、神奈川県相模原市生まれ。写真家・九州産業大学名誉教授。1962年、毎日新聞社入社。64年の東京オリンピック、71年の沖縄返還協定調印などの取材に携わる。74年に退職し、フリーに。同年渡米。ニューヨーク滞在中に、米将兵と結婚して海を渡った「戦争花嫁」と出会い、78年カリフォルニアに彼女たちをたずねて撮影取材。以後、アジア太平洋戦争のもとで翻弄され、声を持たない人たちの声を写真で代弁し、日本人の現代史認識を問い続ける。また、写真と文章を拮抗させた「フォトノンフィクション」を確立する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)